制作・出演 : 亜蘭知子
CITY POPブームの中再発したアナログ盤のセールスが飛び抜けて好調な83年リリースのサード・アルバム。 シングル「Body to Body」を押しのけて海外では「midnight Pretenders」と双璧の人気を誇る「I’m In Love」は、 NetfrixのTVシリーズでの劇中歌に使用、またロン・バーガンディ・ポッドキャストでのエンディング・テーマとして使用されている。 日本では想像もつかないグローバルな評価を獲得しており、それが逆輸入の形で現在日本でも人気が再燃している。 今回の収録曲順につきましてはオリジナル・アナログ・マスターをDSD11.2mhzでアーカイヴした最高音質でお届けします。 また本来の制作側の意図に基づき4曲目の「ジレンマ(25才の憂鬱)」は初CD化(88年)の際に アナログ発売時に差し替えられた3分32秒ヴァージョンを4曲目としアナログ発売時に収録された3分9秒ヴァージョンをボーナストラックとしてます。
1981年のデビュー作。この作品を皮ぎりに年1作のペースで発表された第2作『色彩感覚』、第3作『浮遊空間』はまとめて初期3作とされ、全曲とも彼女の作詞。この作品の衰弱したヴォーカルから、2作目ではジャズへの傾倒を思わせ、3作目ではシンセを含むテクノ風の味付けがあったりと、時の流れに敏感に反応していた。
サブ・タイトルに“都会は淋しがりやのオモチャ箱”などとつける彼女のアルバムでは、作詞家と歌手とが微妙にズレながらマッチングしている。彼女の声に合った、といっても新鮮な響きをもったタイプの曲を提供している過程のアルバムといった感じ。
この時期の亜蘭知子は作詞以上にシンガーとしての活動に意欲を燃やしていたようだ。本アルバムはまるでエキゾチックな冒険小説を読んでいるような仕上がりになっており、曲を聴いていくとスクリーンのワン・シーンのように映像が浮かんでくる。
作詞家としても活躍するこの人、自唱の作品もけっこう多い。とは言ってもアプローチはライターのそれと言うより、むしろ作詞もできるアイドルに近い。華やかさがあるのがユニーク。「パーキング」は織田哲郎作曲とのバランスもベストだ。