制作・出演 : 今井信子
長く待ち望まれていた、五嶋みどりのモーツァルトです。日本が世界に誇るヴィオラ奏者である今井信子と、北ドイツ放送響、パリ管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団などを手中に収めた巨匠エッシェンバッハというこのうえなく豪華な共演陣を得て、みどりの美音が時に華麗に、時に艶かしくメロディを奏でていきます。未完の断片から、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタの一部借用といった手段を用いてフィリップ・ウィルビーによって再構成されたヴァイオリンとピアノ、管弦楽のための協奏曲ニ長調は競合盤も少なく、エッシェンバッハのピアノとみどりのヴァイオリンが美しく歌い交わす様はまさに聴きものです。
アコーディオンにヴィオラという楽器の音の魅力を知悉した仕掛け満載。耳の関心と知的興味を両立させ、じっくりと音の深みに引き込んで聴く愉しみを満たしてくれる津々脱帽の逸品。古楽で蒼色に染まりアコーディオンで情動惻々相貌を変えるバッハ。うーむ。★
フルート、ヴィオラ、ピアノという組み合わせのオリジナル曲を集めた、珍しい企画アルバム。デュリュフレ唯一の室内楽作品や、ピアニストとして有名なニコラーエワの作品など、演奏家ともども注目の1枚。
世界的名手、今井信子による久々のソロ・アルバム。ヴィオラのために重要な作品を残したレーガーのソロ作品をすべて収録、重厚な響きや豊かなメロディが交錯する複雑な書法を、彼女の円熟の演奏で聴ける。
ヴィオラのすばらしさを人々に知らしめようと精力的な活動を行っているヴィオラ界の第一人者、今井信子が取り組んだバッハの無伴奏チェロ組曲全曲録音。見事なバッハの音楽世界だが、原曲よりオクターヴ高い音なので、幾分あかるくかろやかな印象を残す。
ヴィオラとアコーディオン。意外な組み合わせのようだが、音色といい、ちょっとインティートな音の佇まいといい、しん、とウェットにカラダに染み込むシブい響きが生まれる。細川、高橋、ユンの書く濃密な音が難解にオチず、耳を“深み”に誘い込む。