制作・出演 : 小原孝
ポップスから童謡、クラシックまでなんでもピアノで楽しく聴かせてくれるピアニスト、小原孝担当のNHK-FMの番組をCD化。彼のサロンでゆったり過ごしている気分に浸れる約1時間。耳慣れた曲もいいがクラシック名曲『ラ・カンパネラ』のかっこよさも注目。
ヤマハ発行〈月刊ピアノ〉に連載中のページとタイアップした企画で、読者人気の高い曲を小原のアレンジ、演奏で録音したアルバム。ミニモニ。ほかのヒット曲がソロ・ピアノで堪能できる。
色モノ系で売れちゃったから、ここらで一発“真面目”なクラシックを企んだなんて意地悪な見方もできるけど、素直に聴けば頑張っていることはよーくわかります。でもこれぞ、というインパクトは弱い。「春祭」が1部だけなのも気になる。ミヨーは楽しい。
繊細なピアノの音色が奏でるミュージカル・サウンドの世界は、舞台とはまた違う、ある種の緊張を強いる。それはもちろん心地よい緊張……小原孝の指先から紡ぎ出される音たちの“感情”をあますところなく堪能するために、ちゃんと背筋をのばして聴くべし……。
今回演奏されてる曲のいくつかは、私の青春時代の歌だ。フォークの尻尾、ニューミュージックの始まり。あの頃の歌は、いつも私に甘酸っぱい物思いを運んでくる。エモーションを喚起することにかけて、今、クラシック界で彼の右に出る人はいない。
この人はピアノを弾くのが楽しくて仕方ないんじゃないかな。ねこふんじゃったもガーシュウィンもラヴェルもユーミンも、同じ温度で表現できる独特のセンスは、現在ホントに貴重なものだ。もちろんそれは並外れたテクニックがあるからこそできることだけど。
小原はたぶんテネシー・ワルツやらダイアナの世代ではないと思うから、ちょっと懐かしめの選曲だが、(6)(7)(21)などのリヴァイバルを入れているあたり若者も意識しているかも。スノッブにジャジーなのもコテコテのムード音楽しているキッチュさもお茶目!
小原孝“ピアノよ歌え”の第4集は、ディズニー映画やテレビ・アニメ、アニメ映画などから選んだとびきり素敵なアニメ・テーマ・ソング集。たとえBGMとして聴き流していても、きらきら輝く風や七色の虹のように個性的な音楽をちゃんと心に残してくれる。
近代の管楽器サキソフォンはさぞドビュッシーに合うであろうとの期待通りのCD。クラシカル・サキソフォンの音色は真正直な印象を与えるとともに、(1)や「シランクス」では鄙びた味わいすら醸しだす。新しいドビュッシーの世界を見せてくれる。