制作・出演 : 尾高忠明
最高の音で楽しむために!
北のオーケストラならではの作品に対する共感を紡ぎだそうというシリーズ、第2作。DSD録音、ハイブリッド盤仕様でその空気感も十全に体感されよう。このディスクを含め、日本のオーケストラ録音を積極的に援助しているローム・ファンデーションの仕事ぶりにもエールを送りたい。
イギリスにまつわってとりどりな選曲が耳を楽しませる。パーセルやディーリアスのサラと透明に色が漂う響きの感触、ハイドン、モーツァルトのあざとさを避けたあくまでもの明快さ、そしてブリテンの響きの仕掛けに呼応する鋭敏な動き。質実確か。障りがない。
札響が奏でる北欧の響きはどこかさらりと端正。民族への矜持がかぶさる物語世界の重みが、ともすると滅入りを喚ぶシベリウスも、粘度を抑えて音楽の形が、ス、と浮かび上がる。尾高→イギリス→北欧という“えにし”のゆえか。グリーグの淡彩な抒情もいい。
ビートルズの曲を池辺晋一郎が“バロック風”にアレンジ。ネタ曲を下敷きにしたものが多く、けっこうこれが笑えるし、いろいろなお楽しみが詰まってる。楽しいだけに、これを“たまにはクラシック”として売る発売元は何考えてんだか。情けない。
武満徹の甘美と言おうか官能と言おうか、そんな響きを追及しているような80年代の作品が集められている。オーケストラの精妙な響きに、流れるような美しいメロディが編みこまれている。尾高の丁寧な音の作りがソリストたちにも及び、一体となったサウンドが心地好い。
ベートーヴェンの「第9」の練習用につくられたCD。オーケストラと独唱者によるカラオケのほか、各パート別の模範歌唱が収められている。尾高&東フィル、二期会合唱団による演奏。
依然としてブームが続く“癒し”にスポットを当てたコンピレーション・シリーズ2。カウンター・テナーの米良美一、白鳥英美子、らの甘美な歌声やクラシック、ポップスのアレンジなどを収録。
日本フィルの首席オーボエ奏者を務めた後、現在はソリストとして活躍する広田智之が古巣とともに録音したR.シュトラウスの協奏曲。曽根麻矢子らとのバッハやピアソラも楽しい。
ビートルズの曲を池辺晋一郎が“バロック風”にアレンジ。ネタ曲を下敷きにしたものが多く、けっこうこれが笑えるし、いろいろなお楽しみが詰まってる。楽しいだけに、これを“たまにはクラシック”として売る発売元は何考えてんだか。情けない。