制作・出演 : 山下達郎
76年リリースのファースト・ソロ・アルバムのデジタル・リマスター盤。普遍なる達郎サウンドとはいえ、NYとLAに単身乗り込んでこれを作り上げた血気が歌声にもにじみ出ているところが妙に愛おしい。自身によるていねいな解説と未発表カラオケ2曲も嬉しい。
77年発表のセカンド・ソロをデジタル・リマスタリング。村上“ポンタ”秀一、細野晴臣、坂本龍一、吉田美奈子、斉藤ノブなど錚々たるミュージシャンたちのサポートを得て、少しずつソロとしての方向性を確立する過渡期的名作。ボーナス・トラックを3曲収録。
1978年発売のライヴ2枚組のリマスタリング復刻。ボーナス・トラックとして実際のステージにおけるオープニング曲「ラブ・スペイス」と、ラスカルズの「ユー・ベター・ラン」の19分におよぶファンク・カヴァーを収録。価値ある商品です。
「LET'S DANCE BABY」「BOMBER」のヒットを生み、転換点となった78年作の4枚目。ファンクやソウルをベースにした温かいグルーヴと、フィル・スペクター的ポップスが同居したサウンドで、どの曲も美しいメロディが冴え渡っている。
79年発表の第4作。四半世紀近くも前に、前作もそうだが、一人ア・カペラで始めるというところに、現在につながる自身の音楽センスに対する自信と頑固さ(?)がうかがえる。ライヴを大切にし続ける姿勢は、寄席にこだわる噺家に通じるものがありそうだ。
初のヒット作となったタイトル曲を含む80年発表の通算6作目。じっくり作りこんだ感触のある秀作。中でもシュガー・ベイブ時代に思いを馳せた「マイ・シュガー・ベイブ」は、達郎の名唱と相まって何度聴いてもジンとくるものがある。ボーナス4曲収録。
82年にリリースされた名作を山下自身の監修によってデジタル・リマスタリング、「あまく危険な香り」のTV用インストなどのボーナス・トラックを加えた再発盤。アメリカン・ポップスを継承するソング・ライティングと卓越した演奏能力が融合した、永遠の名盤だ。
ア・カペラと言えば山下達郎となったそのアルバムの再発売もの。しかし、実は'86年版とあるように、そのほとんどがメーン・ヴォーカルを入れなおしているようだ。ドゥー・ワップの名曲のカヴァーであるところも、山下らしい。名盤がやっと帰ってきた。
達郎のア・カペラ集の第2弾。昔から達郎がうたうと言っていた「アマポーラ」をはじめ、「サイレント・ナイト(聖夜)」など達郎ならではのア・カペラ集になっている。今回はクリスマス曲の他はポピュラーの名曲が中心で、必携アルバムになっている。
“1”が出てから19年たって、“3”はなんの気負いもなくひたすらに、一人多重のアカペラ・ドゥーワップで“好きな曲、歌いたい曲”を気持ちよくうたっております。聴くわれわれも、ただひたすら気持ちよく聴く、これがこのアルバムの基本でしょう。★
山下達郎にとって10枚目になる83年6月発表のアルバム。本人は“青春の回想にしようと思って、自分のネ。それを元にしたフィクション。だから、ちょっと男っぽくしたかった”と言ってた。魅力的な張りのある歌声にうっとり。
前作『メロディーズ』から3年ぶりのオリジナル・アルバムだけに、もっと派手な作りになっているかと予想していたが、意外なほど地味。しかし、聞けば聞くほど味が出るタイプ。シンセを駆使していながら、テクノな感じの音には聞こえないのです。
重厚。といっても前作『ポケット・ミュージック』の鍛えぬかれた“なんでもなさ”、ふまえてのそれだから、変わんないね〜と安心して聞けちゃう人も、おそらく多数いるだろね。その気で聞けば十分腹に溜まる、二段重ねのお弁当的力作かつ武骨な名人芸。
本格的なライヴ作としては初の試みで、10年間の活動を集決算したような選曲、内容になっている。全精力を傾けて、完璧なスタジオ作を提供してきた人だが、ここでもその姿勢が貫かれ、ライヴの熱気を伝えつつも、ライヴとは思えない完成度を誇っている。
何といってもタイトルがいいよね。ジャケットもあのミリポルスキー。と、音楽意外のことをほめてお茶をにごそうというわけではない。ずっとリズムにこだわっていた彼だが、歌詞、リズム、メロディー、ヴォーカルの四拍子が完璧に時代にフィットしている。