制作・出演 : 平原綾香
From ToFrom To
テレビ出演が増え、キャラクターも異能であることが分かってきた天性の女性ヴォーカリストの3作目となるアルバム。新旧とりまぜた11の楽曲をカヴァーしているのだが、それぞれの曲で彼女にしか出せない結果を出しているのがスゴい。続けるべき企画だ。
晩夏/いのちの名前晩夏/いのちの名前
地味と言っても良いくらい素朴な佇まいでありながら、聴くにつれてうっとりとその世界に誘われる壮大さを兼ね備えた楽曲だ。荒井由実の楽曲を松任谷正隆のプロデュースで平原が歌う。それだけで最高の贅沢だが、名前負けしないクオリティが嬉しい。
エターナリーエターナリー
平原綾香のシングルは、映画『四日間の奇蹟』(主演:吉岡秀隆、石田ゆり子)の主題歌。彼女自身の作曲となる楽曲の良さも然ることながら、特有のコブシを利かせた歌唱も冴える。シティ・ソウル風のアレンジで聴かせる「Bloom」も目新しい。
明日明日
フジテレビ系ドラマ『優しい時間』の主題歌と挿入歌がカップリングされたシングル。この人の歌声が持つ“力”は、どれだけ高い音まで声が伸びるかとか、カッコいいシャウトやフェイクができるとかいうのとはまったく別次元のソウルを感じさせてくれる。
ザ・ヴォイスザ・ヴォイス
低音部でのつぶやくような節回しなど独自の歌唱法をもつ人だが、このセカンド・アルバムはその個性が全面的に開花し、確立された感がある。井上陽水のカヴァーなどはその顕著な例だろう。サウンド面もエレガントなストリングス・アレンジが彼女によく合っている。
オデッセイオデッセイ
「Jupiter」の大ヒット後のファースト・アルバム。UKソウルっぽい涼しいノリとサウンドが基調の一つをなしていて、彼女が“中島美嘉以降”のシンガーであることを実感。中低音域が伸びる声質を活かして、今後は「愛の讃歌」のカヴァーなどいかがでしょう。絶対はまる。