制作・出演 : 日本フィルハーモニー交響楽団
民族楽派などと呼ばれもするが、伊福部の場合、それは多層的で、ここでも、日本的なもの、東南アジア的なものが強く反映していて、さらにそれが重層している。(2)は82年の作だが、そうした作風は基本的に変わっていない。真に個性的な作曲家だ。演奏も不足はない。
ひさびさのゴジラもの(91年)と東映アニメの名作(63年)が並んでも実に調和がとれていて奥深い展開が連関しているのはさすがというほかない。どちらも2003年晩夏の録音。情景全体、空の動きと人や動物の脈動さえも描き出されている。偉大なる音楽家ゆえの作。
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キングレコード株式会社竹本/日フィルによる映画音楽アルバム。第1弾は“愛と冒険篇”ということで、『アラビアのロレンス』『2001年宇宙の旅』『ベン・ハー』『野性のエルザ』などを収録。(7)以外はオリジナル・スコアを使用しているので、当時の思い出がそのまま蘇るという演出がまた、ニクい。
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キングレコード株式会社実は“キング・オーディオ・ファイル・シリーズ”と銘打たれていて、音楽的充実以外にも重要ポイント多し。はじめは少し遠目かな? と感じる録音は、実は自然なオーケストラ・ダイナミクスを目指したもの。耳が慣れるにしたがって、そのこだわりを実感できる。
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キングレコード株式会社日本フィルが『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッターと秘密の部屋』などのSF&ファンタジー映画の音楽を録音。ほとんどの作品でオリジナル・スコアが使用されているのがミソ。ジョン・ウィリアムズやゴールドスミスの音楽がゴージャスに再現される。
これぞ山本直純の真骨頂! クラシックの名曲の旨味を損なわず、絶妙なパロディ音楽に仕上げる手腕は並みではない。例えばベートーヴェンの交響曲第45番「宿命」など、様々なメロディをつなぎ合わせ滑稽だが、決して嫌味にならぬ。それが彼ならではのキャラクター!
朝比奈隆が80年代にさまざまな場所でいろいろなオケと演奏したブルックナーの交響曲を全集としてまとめたもの。最も充実していた時期の朝比奈のブルックナーがここにあるといってよいだろう。特に83年の東京カテドラルでの大フィルとの7番と8番は記念碑的演奏だ。特典盤として付けられている朝比奈隆が宇野功芳を相手にブルックナーについて語った録音(約50分間)も興味深い。
日本フィルの首席オーボエ奏者を務めた後、現在はソリストとして活躍する広田智之が古巣とともに録音したR.シュトラウスの協奏曲。曽根麻矢子らとのバッハやピアソラも楽しい。
ロシアの巨匠、イリア・ムーシン最後の愛弟子、話題の指揮者、西本智実のデビュー・アルバム! 師、ムーシンに「正統的なロシアの伝統を受け継いだ」と評された期待の大型新人。
ラヴェルの「ボレロ」そっくりだったりする黒沢映画の音楽を枕に、23歳のデビュー作、雅楽的な(3)から、41歳で早世する前年、東洋的発想を追求した(5)まで、西洋と日本との調停や融合を模索し、昭和前半を駆け抜けたユニークな歩みを、充実の演奏で聴く。
90年に亡くなった指揮者渡辺暁雄の、没後10周年を記念して初CD化された。これは67年厚生年金ホールで録音され、銘盤の誉れ高かったレコードなだけに、大変嬉しい。渡辺が得意とした北欧ものを、日フィルがゆったりとした温かな流れで応える。
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キングレコード株式会社豪華な配役で67年に録音した教育用アルバム。演奏は薄っぺらなところがなく格調高い。テンポはやや遅めで聴く子供たちが細部まで注意を払えるよう考慮されている。当時、この日本にも丁寧な作りの職人的温かさを感じさせるものが、まだあったのだ。