制作・出演 : 日野皓正
独自の世界をアピールするシュールな作品。フリー・ジャズ全盛時代にも変わらなかった日野の先進性を100%押し出した演奏には、「勝手に変わっていったのはお前らだろう」と聴き手に投げかける日野のメッセージが込められているような気がする。「ラヴァ・ダンス」にその真骨頂がある。★
82年にレコード・デビューし、国内外のジャズ・シーンで評価の高い女性ジャズ・ヴォーカリスト、伊藤君子の代表作。上品で艶めいていて、さらに情感豊かな歌声をたっぷりと聴かせてくれる。
団塊の世代を対象にしたコンセプト・アルバムなので、いつものタイガー(フュージョン系)とは違って、スタンダードをオーソドックスに切々と吹いている。そこがユニーク。「クリフォードの思い出」「酒とバラの日々」は日野皓正との2トランペット競演。
2007年の新録5曲に過去のアルバムからの6曲を追加した変型のベスト・アルバム。新録は大石学、井上陽介、東原力哉との共演。アルバムとしての統一感もあるし、チャリートの一番いいところを抽出した内容なので、悪かろうはずはない。彼女の過去と現在がここに……。
デビュー作を上回る出来。正攻法でじっくり歌いきる力量に圧倒される。ハンク・ジョーンズはさすが。オマー・ハキムのシャープなドラミングも鮮やか。日野皓正も2曲にゲスト参加している。SA-CDハイブリッド盤による、音質の素晴らしさも特筆もの。
73年にミュンヘンのジャズ・クラブ、ドミシルに出演した時のライヴ録音。今回のCD化では未発表だった「星影のステラ」「サイクル・サークル」「ララバイ」の3曲(約28分)が追加されていて、その点がなんといっても一番のポイント。フリー寄りのシリアスな演奏。
日野皓正のレギュラー・クインテットによるオリジナル・アルバム。ジョビンの(1)、オーネットの(3)などのスタンダードとオリジナル曲を収録。日野が時間をかけて作り上げたバンド・サウンドの集大成的な作品として捉えることができる。濃厚なジャズの香りがある。