制作・出演 : 桑名正博
KUWANAKUWANA
役者としての活動の方が目立ったころもあったが、やっぱりこの人は根っからのロック・シンガーだ。このアルバムでも重心の低いバンド・サウンドをバックに、天性のバネのある歌をたっぷり披露。楽曲はややバラツキが目立つが、(1)は彼の魅力を十二分に伝えてくれる。
百万人に一人の女百万人に一人の女
全曲、阿久悠の作詞になる約3年ぶりの新譜。「セクシャル・バイオレット…」は今は昔。ゴンタな桑名のぼんぼんも、今じゃすっかりイイ大人。アダルトやのぅ。阿久悠の世界をオッサン臭いと思うオレはまだ青尻小僧なのか!? ま、ちょっと渋すぎるかな。
For ParadiseFor Paradise
ほんのちょっぴりながら、絶頂期だった70年代の匂いが復活した本作。歌のうまい奴ァ歌詞にもたれかからないからやっぱりええのォ〜という、この人にしてみれば実は当然、なレベルはクリアーされている。かと言って詞の安直には、さすがにすごいものがあるが…。
IT’S ONLY LOVEIT’S ONLY LOVE
前作から僅か9ヵ月という異例のスピードで発表された。外国作家の未発表曲2曲を含むオリジナルも悪くないが、10年前の自作曲のセルフ・カヴァー(5)とE・クラプトンの名曲のカヴァー(7)が圧巻。特に日本語で歌っちゃう(7)は、この人ならではの大胆な暴挙。