音楽むすび | 制作・出演 : 桑山哲也

ユニット結成10周年記念アルバムとのこと。若き美女のデュオとくれば、もう少し演奏に色気が欲しい気もするが、逆にあまりウェットにもシリアスにもならず、日常感を失わずにサバサバと弾いてのけるのがいいところかも。加羽沢の編曲も手馴れたものだ。

ジャズをベースにしたサウンドにブラジリアン・リズムを取り入れたり、パリ・ミュゼットの伝統を受け継いだかのような演奏が披露されたり、変化に富んだ展開。人生の喜びや哀感を奏でる、アコーディオンの表情が豊かだ。ロマンティックなポエジーも感じる作品。

タンゴやミュゼットで親しんだアコーディオンの響きとはどこか違った音色。それが聴こえてくるのが桑山の紡ぎ出す世界の特徴だ。ベルギー配列のボタン・アコーディオンをパートナーに弾きこなす、どんなナンバーにも感じられる鮮やかなまでの明るさがいい。

軽やかに、哀しく、やさしく、そして激しくーーそんなアコーディオンの持つさまざまなプロフィールをしっかりと味わわせてくれるアルバム。火を吹くようなタンゴから、スリリングなミュゼット、独特の現代感覚に引き込まれるポップなオリジナルまで、桑山の腕が冴える。

日本一のアコーディオニストcobaの企画によるヨーロピアンなカヴァー・アルバム。coba本人はもちろん、佐藤芳明、田ノ岡三郎ほか注目の若手蛇腹奏者たちが持ち味を遺憾なく発揮する。

細日フレンチ・シンガー、パトリッキ・ヌュジェとの共演で知られるアシーディオン奏者。今作では村上ポヱタをゲストに、タンゴ、ミュゼッノなど、実に多様な音楽を披露。