制作・出演 : 横山幸雄
「エシェゾー」フランク&フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ「エシェゾー」フランク&フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ
エシェゾーとはブルゴーニュの銘醸ワイン。その名のごとく優雅で香り立つような演奏。だがそれだけではない。芯の強さをみせる矢部のヴァイオリン、それに知的な応答を返す横山のピアノ。聴き終わった後、贅沢な余韻を残すのもワインの酔いに似ている。★
ショパン:幻想即興曲ショパン:幻想即興曲
横山自身思い入れが深いという作品集。確かな技巧と豊かさを増した美しい音が魅力。特に速い部分がシャープで、迫力、爽快感ともに十分。「幻想即興曲」では使用エディションをめぐって新たな試みがなされた。効果的。創造的な試みは評価されるべきだ。
「イメージュ」Images「イメージュ」Images
前3作でショパンを聴かせた横山が、今回はドビュッシーとラヴェルを収録。その表現はきわめて明確で、テクスチュアのなかの1音1音も粒立って聴こえ、作品を冷静に見つめるまなざしを感じさせる演奏。横山編曲の「牧神の〜」ピアノ・ソロ版は聴きもの。
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
同時発売されたソナタに比べると情緒が前面に出ているが、微妙なテンポの“揺らし”は昔風でも現代風でもなく個性的だ。持って生まれたセンスを感じさせる点もやはり日本人には珍しい。ただオケの音が重すぎるのはともかく、大友君の指揮は陳腐だ。