制作・出演 : 犬神サーカス団
2年ぶりの新録CD。わかりやすいメロディのヘヴィ・メタルだが、まず音自体がパワフルでカッコイイ。曲によってはムックリやディジェリドゥ、アメリカン・インディアンの太鼓も挿入し、特にシアトリカルな「夜、あふれる想い」は天上桟敷も思い出す。現代への警鐘含みの日本語の歌詞も含めて意欲と気概が伝わる。
犬神サーカス団の結成15周年記念リメイク・ベスト2枚組。今では入手困難な初期レパートリーとライヴ定番曲を中心とする32曲+書き下ろしの新曲「籠の鳥」で構成。一聴してヘヴィ&ソリッドになった音像と、成熟度を深めた犬神凶子の声が新たな情念と不条理を呼び起こす。★
日本のホラーをコンセプトに活動するメタル・バンド、犬神サーカス団の4作目となるミニ・アルバム。極楽行きの夜行列車に乗り込むシーンから始まるコンセプト作で、映画仕立てのセリフも入るなど、バンドのダーク・サイドが発揮されている。恐怖の一枚。
一見、異端と感じる彼らだが、その音楽性には実は目を瞠るモノがある。本作はミディアム・タッチの楽曲で、耳に馴染みやすいメロディと印象的なサビといった具合にある意味で正統派のJ-POP。つまり見た目からなる印象と異なるのが彼らの魅力である。
相変わらずの妖怪的&猟奇的ロックは全開で、凶子の巻き舌ヴォーカルも舌好調だ。欧米が悪魔ならやっぱ日本のメタルは妖怪だね! 「一ツ目小僧」なんて曲名から「一ツ目小僧」だし(笑)。しかし今回の注目ポイントはジャケット。なぜ『サージェント・ペパーズ〜』のパロディなの?
呪怨のようなメイクも強烈な犬神サーカス団のレコード会社移籍第1弾。バンドのコンセプトである死をテーマにして作られている。だが基本は今までと変わらず、犬神凶子の昭和テイストの歌い回しとハード・ロックの融合形だ。湿っぽさもたまらない。
アースシェイカーのマーシーが共同プロデュース。歌詞は曲名からも想像できるようにけっこう刺激的なのだが、昭和歌謡とメロディック・ヘヴィ・メタルがミックスしたような音で聴きやすい。とはいえ、ときおりヴォーカルに生々しさがチラリ。で、ドキリ。
カラオケ映えしそうな歌謡ハード・ロック(1)、ライヴのゲストに加藤茶が出てきて会場大盛り上がりな図さえ勝手に想像してしまうカヴァー(2)と、イメチェンここに極まれりなシングル。(3)のような従来のオカルト路線が好きな人は、かなり戸惑うのでは。