音楽むすび | 制作・出演 : 石川セリ

数々の名曲を世に送り出した作詞家、作曲家10人にスポットを当て、多くのヒット曲や作家自身が思い入れのある楽曲のなかから厳選して収録した“歌の巨匠”シリーズ。それぞれのスタイルを確立させた傑作の数々が楽しめる。

最新ベスト。エミ・エレオノーラ提供の新曲1〜3曲目は、独特な間に妖艶な香りが立つウィスパー・ヴォイスに、シャンソン風の味付けが冴える。既発曲もリミックスのごとく新鮮味を帯びた高音質で、新たな解釈を呼びそう。時を超越した色気を放つビジュアルも魅惑的。★

97年に武満徹の追悼アルバムとしてリリースされた作品の廉価再発。95年に10年ぶりの復帰作として発表された『翼ー武満徹ポップ・ソングス』収録曲3曲に、新たな武満楽曲2曲と、その5曲のインスト・ヴァージョンを収録した変則的な内容となっている。

1970年代後半のニューミュージック・シーンで活躍した石川セリのベスト・アルバム。ハスキーでソウルフルな歌唱はもちろん、下田逸郎、井上陽水、パンタら豪華な作家陣にも注目したい。

武満徹の曲を石川セリが歌う! これだけで十分に刺激的。CDのキャッチに「セリは時代の光と影をうたう」とあり、20余年前に帰った気分でまったくその通りと独り言。谷川俊太郎の詞もしみ込む(7)を高石友也の歌で初めて聴いたころのことを思い出した。