制作・出演 : 陰陽座
ハード・ロックと日本的な美意識との融合をよりいっそう推し進めた6作目。麗しいメロディが時折和楽器を含んだ壮大なアレンジによって加速しては、醜悪と美徳の両方を見せていくその手法はもはやオリジナル。“義経”をテーマにした組曲はまさにその集大成とも言える。
バンドがリスペクトする山田風太郎の『忍法帖』シリーズ。その世界観を音像化してきたバンドにとって、ある意味集大成的な色合いがあるシングル。シアトリカルなハード・ロックが死への嗅覚を働かせながら、日本の美意識へと昇華していくさまは、圧巻の一言。
「悪忌判官」「夢魔炎上」に続き、源平の戦いを舞台に人間の業を描いた三部作組曲の完結編は、エンディングにふさわしい壮大なバラード。源義経と静御前のロマンスを、崇高なまでに切々と歌い上げるヴォーカリスト、黒猫のポテンシャルの高さと表現力は圧巻。
マキシ3ヵ月連続リリースで壮大な叙事詩的組曲を発表する企画の第1弾。タイトル曲は陰陽座ブシど真ん中の叙情スピード・メタルだが、泣きは抑え気味でむしろドラマ導入部の不穏な煽りを感じさせる。カップリングも定番“忍法帖”シリーズ新曲というファン必携盤だ。
“和のメタル”のワザをたゆまず磨き続ける5人組のフル5作目。彼ら一流の鋼鉄美学に基づく緩急のダイナミズムに加えて剛と柔のバランスが楽曲の表情を豊かに彩り、バンドの絶好調を実感できる。勇壮な泣きメロを歌いこむ黒猫の歌に加えて瞬火の歌唱力もアップした。★
リード曲は『夢幻泡影』からの先行カットとなる美メロ快走曲。そして目玉は“和”“妖怪”“メタル”という彼らの個性をすべて詰め込んで狂騒でかき回したかの、彼ら以外に誰もやれそうにないアルバム未収録曲「狸囃子」だ。黒猫の珍しい歌いまわしが聴けるマニア必携盤。
人気急上昇中の和装洋魂・妖艶豪快メタル・アクトが放つ全曲新曲によるマキシ。リード曲はかつてなくキャッチーなハード・ポップだが、ここに激烈爆走メタル(2)と静寂の美をたたえた(3)を加えてバンドの各種必殺技のレベルアップを示した心憎い一枚。黒猫の美声の演出に技アリ。★
和装束と美女シンガーと劇的な正統派楽曲でめきめき注目度アップ中のメタル・アクト、初ライヴ盤の登場だ。2003年春ツアーからの音源だが、初期の楽曲も含めた長年のファン想いの選曲。硬く締まった演奏、黒猫の艶のある歌、メタル好きなら14曲で60回は歓喜の拳を握れる。★
99年結成の妖怪ヘヴィ・メタル・バンド。メジャーでのセカンド・アルバム『鳳翼麟瞳』の疾走感のあるリーダー・トラックをシングル・カット。力強い音塊と高い歌唱力が切ないメロディに踊る。(2)はアルバムからの一連の流れを締めくくる連歌のような佳曲。★
2001年末にメジャー・デビューした“妖怪ヘヴィメタル・バンド”の通算4作目にしてメジャーからの第2弾フル・アルバム。完成度の高い楽曲とスリリングな演奏、そして黒猫の伸びやかなハイ・トーンと瞬火のパワフルな歌声とのツイン・ヴォーカルが冴える。★
おどろおどろしいイメージを携えつつ思いのほかキャッチーだが、あくまでも暗いヘヴィ・メタルがベースにあるし、細いヴォーカル・ラインが印象的だ。(2)(3)はアルバム未収録曲で、特に7分近くの(3)はブラック・サバスの日本的現代解釈みたいな面白さも。
インディーズ時代に発表したオムニバス2作に収録されていた4曲と、マキシ・シングル「桜花ノ理」のカップリング曲2曲の新録、書き下ろし新曲2曲を収録したレア・トラック集。ライヴでも重要な曲ばかりなので、ファンにとっては思わぬプレゼントとなったはず。