制作・出演 : 飯島真理
音楽活動ももう20年以上となり、2005年4月に出た2枚のベスト・アルバムも好セールスとか。19枚目となる本作でもその当時とまったく同じヴォーカルを聴かせてくれる。曲数は7曲と少ないが、曲はどれもクオリティが高く、新旧のファンの期待を裏切らない出来。
おきゃんだったお嬢さんが、ふと気がつけば“ウーマン・イン・レッド”に。その心意気やよし、だよね。声質でどうしてもかわいらしくなっちゃう、そのへんを心底好きらしいポップ・ファンク路線とどう折り合いつけるか。がんばったね。
ここ数年続いて、ロサンゼルスで、公私ともにパートナーとなったジェイムス・ステューダーなど現地のミュージシャンに囲まれて完成してある。ロサンゼルス産ポップスの影響を彼女なりに消化、肉付けして、独自のポップスを完成した観ありの力作。
ライヴ・アルバム。バックは、公私ともに彼女のパートナーのジェイムス・ステューダーを中心に、ロサンゼルスからのミュージシャンたちで固めている。手堅い演奏に支えられ、独自のポップスを築く過程のドキュメントとしての側面も楽しめる。
例によって、ロサンゼルスで現地のミュージシャンを使ってのレコーディングだが、それが強調されて、この人の歌が身につけてきた女性としての視線やシンガーとしての技量が見逃される傾向にあるのが惜しい。女性ヴォーカルものとしては秀作の1枚なのに。
2年ぶりのアルバムは、やはりミュージシャンであるダンナ様との共同プロデュースで、ロス在住のため、曲作りも含めてすべてロスで行なわれた。女として、妻として、母として、そして人間として彼女の日々から生まれた作品が、ごく素直に歌われている。
アメリカの空気がすっかり身についたようで、自然な雰囲気で曲をつくり、歌っている。セカセカしたところのない、良い意味のルーズさがとても心地いい。詞がアメリカしてて、これもまた良し。(8)(9)のカヴァーもなかなかで、特に(8)は目から鱗の面白さ。
バート・バカラックとのコラボレイト曲を含む本作は、バンド・サウンドとモータウン・サウンドをテーマに作られたというものの、彼女らしさに満ちたポップ・サウンドになっている。地元レイカーズのファンぶりも強力に、マイペースを貫いた作品だ。
バート・バカラックとのコラボレーション作品を含む、2曲4トラック入りのマキシ・シングル。バカラックの特徴である強引な転調や無理な符割り、アメリアッチ・テイストなどが出てない曲なのが残念だが、リアルLAサウンドの飯島真理との相性は悪くない。