制作・出演 : NHK交響楽団
80年9月のN響定期公演のライヴをCD化したディスク。端正なウェーバーといい、力感に富み、引き締まったアプローチの「展覧会の絵」といい、ケーゲルに思い入れのある音楽ファンにとっては、かけがえのない演奏が収録されている、と言えるだろう。
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キングレコード株式会社ケーゲルがN響と行なった唯一の大規模声楽作品の記録。独り歩きを始めてしまっている感もある彼の“強烈さ”のイメージは、極東への客演のせいもあってか薄らいでいる。曲の進行と共に高まる充実度は感動的。第6楽章のフーガをはじめとする合唱の健闘も讚えたい。
NHKテーマ音楽がメインになっているものの、渡辺俊幸“流”のオーケストラ作品集、と捉えていい内容。「永久の愛」アリア・バージョンなど、見事な別作品として成立している。渡辺の中で温められ、考えられ、完成された、現代における“オケ”の姿がここに。
響きは乾き気味で、金管楽器がマイクにやや近すぎるなどの難はあるものの、その素朴で力強く、きっちりと手の内に入ったドイツ流儀はなかなか聴きごたえがある。「ローエングリン」も思った以上に名演だった。ささいなことだが、使用版は“ノヴァーク”では?
一見何もしていないような演奏に、なぜこれほどの説得力が……。これ以上ないほど適切で心にしみるテンポ感、音量との絶妙なバランス。間のとりかたのみごとさ。聴けば聴くほどカイルベルトの凄さが分かってくる。N響がまるで別のオケのように鳴っている。
カラヤンと同年の生まれのカイルベルトはドイツ音楽のとりわけオペラ指揮者では屈指の存在だった。これはN響を振ったライヴで「ツァラトゥストラ」の演奏からわずか2ヵ月後に彼は急逝した。ドイツの伝統はかくなるものぞといわんばかりの骨太で彫りの深い演奏である。
ほんの僅かの共演でたちまち楽員の篤い支持を受け、名誉指揮者就任後に急死してしまったカイルベルト。これはそのN響との68年のライヴでありよきメモリアル。多少の野暮ったさや古めかしさはあるが、それもカイルベルトの魅力。質実剛健な温かさがいい。
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日本コロムビア株式会社「ノヴェンバー・ステップス」や「ラプソディ」など日本が世界に誇る管弦楽名曲をまとめて収録。デンオンやスプラフォンなどの名盤を集めた《ザ・クラシック1000》の1枚。
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キングレコード株式会社いくぶんゆったりとしたテンポで濃密に歌わせ、すさまじいアタックでたたみかける。比較的淡泊な演奏のN響が、スヴェトラーノフのタクトにグイグイと引きずられ、これほど濃厚な表現をするのか。あらためてスヴェトラーノフの力量を思い知らされる。