音楽むすび | ジャンル : J-POP > ロック・ソウル

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UMA LANDUMA LAND

制作・出演

Zoobombs / ズボンズ

発売元

ズボン社

発売日

2025年11月26日 発売

バンド活動30年、ズボンズ9年振りのニューアルバムリリース!! Funk, Alternative, Classic Rock,World Music, K-Popの影響を全て詰め込んだキャリア最高傑作アルバムの誕生!! ズボンズは1994年の結成。97年アルバムデビューと共に第一回フジロックフェスティバルに大抜擢され、 翌年よりアメリカ・カナダ・オーストラリアなど海外リリースとツアーを重ねており、国内外に多くのファンを持つ。 特にミュージシャンからのリスペクトは厚く、伝説に近い存在である。 これまでに12枚のアルバムをリリースしており、この新作リリースと同時期に 初期Parco/Quattro LabelとEMI/ Virgin期の7枚のアルバムが国内初配信される。 メンバーはリーダーのドンマツオ(Vo, Gt)とマッタ(Key, Art)以外は代謝を繰り返しており(過去のメンバーには Zazen Boys 松下アツシ、Nothing’s Carved In Stone 大喜多崇規など)コロナ禍以降活動が停滞していたが、 2024年のバンド30周年という大節目にカナダのレーベルP572よりベスト盤リリース、新たなメンバーとして Bassにレオサイグサ、Drumsに大内岳(Hedigans, ex-Glim Spanky)が加わり、 柔軟かつファンキーな演奏がレベルアップしている。多くのファンが現在のメンバーこそが過去最強であることを認めている。 ライブでは曲順を事前に決めないフリースタイルを貫いており、スリリングな演奏は他に類を見ないものでる。 新リズムセクションに触発されたドンマツオは、次々と新曲を書き上げ、2024年7月〜8月にかけてHedigansのホームである スタジオDIGにてレコーディング。Mixはカナダインディーロックの騎手Jean-Michel Dumas(Ajax!, Bataclan, La Police)が担当。 ズボンズの音楽の持ち味である躍動感と重量感が完璧に音源として再現された。 まさに30年の積み上げ無しでは作り得ない”本物”の傑作ロックアルバムである。 ズボンズは活動再開後から国内で数回のツアー、2024年11-12月カナダツアー、2025年5-6月にはオーストラリアツアーを敢行。 "UMA LAND" リリース以降は、国内および初のヨーロッパ含むワールドツアーを予定している。

Screaming Newborn BabyScreaming Newborn Baby

今から約9年前、2016年10月5日にHi-STANDARDが事前告知なしで16年半ぶりとなるシングル『Another Starting Line』をリリースした衝撃からHi-STANDARDは、バンドが結成された90年代を彷彿とさせるような勢いで音楽シーンを席巻した。「AIR JAM 2016」「AIR JAM 2018」の開催、カバーEP『Vintage & New, Gift Shits』、約18年ぶりとなるアルバム『THE GIFT』のリリース、初のアリーナ公演を含む全国ツアーの開催、ドキュメンタリー映画の公開などなど、現在進行系でぶっちぎりでカッコいいパンクバンドの活躍は、多くの人々の胸を熱くした。 2023年2月14日、恒岡章(Dr.)が急逝した。彼を失ったことは日本の音楽シーンにとっても大きな損失であったが、何よりHi-STANDARDに残された2人を、言葉にし尽くせない深い悲しみが襲ったことは想像に難くない。バンドとしては、水面下で進行中のいくつものプロジェクトは、恒岡を失った後ほとんど全てが一旦仕切り直しになった。しかし、2人はバンドを止めなかった。訃報の2か月前にレコーディングをしていた「I’M A RAT」を4月にリリースし、6月には恒岡とともに出演するはずだった「SATANIC CARNIVAL ‘23」に出演。EKKUN、ナヲ、ZAXという3人のサポートドラマーを迎えたステージは、間違いなく“Hi-STANDARDのライブ”だった。そしてこの場で、横山も(「また必ず戻ってくるよ」)、難波も(「またハイスタをつくってくるからね、じっくりじっくり」)、Hi-STANDARDを続ける意志を明言。実際、その約束はすぐに果たされた。2024年に開催されたNOFXの「The Final Japan Tour」ではZAXをサポートとして迎え、4本のライブを敢行。Hi-STANDARDをフックアップし、彼らが世界的に飛躍するきっかけを与えた恩人でもある、西海岸の大御所のエンディングに花を添えたのだった。 それから1年半以上が経ち、2人は再び表舞台へ帰ってきた、ZAXという新たな仲間とともにーー。 「Screaming Newborn Baby」と名付けられた6曲入りのミニアルバムは、まとまった音源としては『THE GIFT』以来8年ぶり、ミニアルバムとしては1stミニアルバム『LAST OF SUNNY DAY』以来約31年3か月ぶりの作品となる。もちろん、新メンバーZAXが参加したレコーディング音源はこれが初めてとなる。 当然、この作品にたどり着くまでの道のりは平坦ではなかった。横山が自身のコラムで書いた<皆さんが慣れ親しんだトライアングルは終わってしまった>という言葉にもあるように、2人は言葉では言い表せない感情を胸に、必死でもがいていた。前には進みたい、簡単には進めない。絶望もあった、虚無もあった。しかし、バンドに残された2人は、今を生きている。であれば前に進むしかない。前に進みさえすれば、形や結果は後からついてくる。新たな作品を発表することで否定的な意見もあるかもしれないが、そんなことは関係ない。たとえそんな姿が世間にとってどう映ろうが、それすらハイスタの生き様として見せていく。壊しては創り、壊されては創り、壊れてしまっては創り、転がり続ける。それがロックンロールなんだーーそんな覚悟の末に辿り着いたのが本作なのである。 「Screaming Newborn Baby」はクリックなしでレコーディングされ、ハイスタ結成初期の生々しさを彷彿とさせる勢いが印象的。そこにはDescendentsのBill Stevensonがミックスを手掛けていることも少なからず影響を与えている。Daisuke Hongolianによるアートワークはパンク史に燦然と輝く名盤『MAKING THE ROAD』を想起させる。しかし、これは原点回帰とは異なる。むしろ、自分たちが歩んできた道のりを今改めて噛み締め、再び前を向いて前進する、そんな力強い意志を感じさせる。 収録楽曲に触れると、亡き盟友・恒岡について歌った曲もひとつではない。「OUR SONG」を筆頭に彼への想いも込められつつ、この歌詞に登場する“we”は、必ずしもすべてがHi-STANDARDのことだけを指しているわけではない。そこにはこの作品を聴いているリスナー一人ひとりのことも含まれている。楽曲後半に登場する、温かみのある8ビートに乗せたシンガロングパートはオーディエンスのために用意された特等席だ。2024年10月6日に解散したNOFXのFat Mikeについて歌った「Song About Fat Mike」も、Hi-STANDARDの「今」を綴っていることは容易に伝わってくる。 この作品からわかるのは、彼らはどんな浮世からも目を逸らさず、どんなにボロボロになろうとも、様々な想いを背負いながらロックンロールを鳴らしているということ。それがHi-STANDARDというバンドをより偉大に見せている。新ドラマーとともに重圧を感じさせないこの約18分の間に鳴っている音は、間違いなくHi-STANDARDのものだと断言できる。 Hi-STANDARDは、90年代以降のパンクシーンをキラキラと照らしてきた太陽だ。それは今後も変わらない。悲喜こもごもを重ねて、輝き方はこれまでとはまた違う新たな輝きを放つだろう。俺たちのHi-STANDARDは続いていくーーこんなふうに今、再び思える幸せを噛み締めたい。

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