ジャンル : ロック・ポップス > フォーク・カントリー
初めまして初めまして
金子由香利のCDはフィリップスから2枚、ビクターからは銀巴里ライヴの1枚が発売されているが、今月はCBS・ソニーからトリオ・レコード原盤の2枚が登場した。73年、74年の録音で、彼女の記念すべきデビュー・アルバムとセカンド・アルバムのCD盤で、ファンには待望のものだ。彼女のレパートリーは、今ではフランスでもほとんど歌われないものだが、彼女にとっては永年大切にしてきたものだけあって、すっかり彼女のためのオリジナルであるかのように自分のものとなっている。酒の楽しみや愛のよろこびよりも悲しい恋と人生のたそがれを独得のセリフと歌唱でじっくりと歌い込んで、聴かせる。若い人にも耳を傾けてもらいたいものだ。
巴里に謳う巴里に謳う
フランスのオリジナルとはまったく別の魅力を持つにいたった日本の“シャンソン”。その最高の歌い手のひとりだったのが金子由香利だ。その歌のBGに添えられたさまざまなパリの街角の“音”は、なお一層、彼女の歌心を引き立てるエッセンスの役目を果たす。
エンドレスリーエンドレスリー
他界してもう5年になるスラック・キーの巨匠、名盤の誉れ高き「サニー・ソロ」に続く単独録音第2弾。つややかなその歌はもとより、ギターの音がこんなにも美しく妙趣あふれる響きに聴こえるとは……。目からも耳からも鱗が落ちることウケアイます。★
フィドラーズ・フィールド・アイルランド・トゥ・アメリカフィドラーズ・フィールド・アイルランド・トゥ・アメリカ
アイルランド〜アメリカ民衆音楽の繋がりを“フィドル”(ヴァイオリン)という楽器を通して検証しようという音楽史研究的な企画盤だ。アイルランドからの移民たちやNY、南部、そして黒人フィドラーたちの演奏まで紹介していく。楽しくてヒントの宝庫。