ジャンル : ロック・ポップス > フォーク・カントリー
オルガンがボサ・ノヴァと極めて相性のいいことを証明した人がワンダレーだ。このアルバムはボサ・ノヴァが誕生して間もない時期にその彼が残した一枚である。内容は純然たるボサ・ノヴァながら、原点とも言えるサンバにもスポットを当てているのがこの作品だ。
ボサ・ノヴァ・ギターの名手としてボサ・ノヴァ、ひいてはブラジル音楽を牽引してきたトッキーニョのよさを余すところなく発揮した名盤だ。風のように歌うギターの素晴らしさを交えてるのが選曲のよさだ。「イパネマの娘」をはじめ、ブラジルを代表する名曲がずらりだ。
ブラジルの代表的な歌手エリゼッチ・カルドーゾと共に来日するジンボ・トリオの最新作。22年間も不動のメンバーで演っているし、12曲共に演り慣れているスタンダードばかりだから実にスムーズなアンサンブルで聴かせる。ボサノバの楽しさが伝わる。
「イパネマの娘」初録音アーティストの1人で、ボサ・ノヴァひと筋に活躍してきたリベイロの92年作。選曲はボサノバ代表曲となっており、(3)はあのシャンソンでなくカバキーニョの名曲だ。リベイロのロマンティックなこのスイート・ボイスには熟れたコクがある。
湯井一葉は、宝塚退団後、関西を中心に活動を続けているシャンソン・シンガー。表現力の豊かさからは人生のキャリアを感じる。ともすればクサくなりがちなところだが、そこに落ち込むことなくひとつの世界を造り上げる“演技力”には敬服するだけ。
通算3作目で日本デビュー盤。全曲でフィドルが使われる点はカントリーだが、印象はより広範な意味でのポップスという、現在アメリカで主流のひとつとなっている音。張りのある声は音楽によく合っている。R&B風の(10)ものびのびと歌い、いい仕上がり。
シャンソン歌手、渡辺歌子が感情過多になることなく淡々とかすれ気味の歌声で希望や幸せを歌うとき、それは不安や哀しみの中でのかすかな灯のように聴こえてくる。ロシアのブラート・オクジャワへの追悼の想いを込めてオクジャワの曲を5曲歌っている。