ジャンル : クラシック > 現代音楽
二十絃箏の創始者である野坂がさらに音域を広げた二十五絃箏をもって伊福部作品を収録。古代中国の白居易の詩に寄せて書かれた99年作品の(1)、シルクロード風の(2)(主題は映画「モスラ対ゴジラ」より)、古代アジアに思いをはせた(3)のオリエンタルな3曲。
ギターのあらゆる可能性を追求し続けているJINMOの新作は、古典的ギターの味わいからトリッキーな擬音、超絶技巧まで変幻自在なプレイにビックリ。約25分に及ぶ大作(6)は、津軽三味線の奏法をギターに取り入れた新たなサウンドを作り上げている。
フィンランドの現代作曲家、エイノユハニ・ラウタヴァーラによるア・カペラ男声合唱曲集。タイトルの“人生の書”は、文字どおり誕生から死までを綴ったもので、技巧をこらしてはいるが晦渋ではない。これは彼の作品全般にいえる。合唱団の技術は優秀だ。
この天才肌の二人、指揮者として有名だが余技ではないその作曲作品を2枚組で。作曲年代によって作風が変化しているが比較的線の細いサロネンと構えが大きく豪快なセーゲルスタム。どちらも“一部の隙もない”というタイプではなくのびやかな持ち味。
サーリアホはフィンランドの女流作曲家。楽音とノイズを精妙に織り込んでいく独特の作風で知られる。80年代にかかれた計7曲を収録。いずれも生オケとテープやエレクトロニクスを駆使。斬新な音色の帯のような音楽だが、繊細な叙情を底流に感ずる。
現代フィンランドを代表する作曲家カレヴィ・アホの作品集。20〜30代前半の管弦楽、室内楽、ピアノ曲など、彼の初期を探るうえで欠かせない作品ばかり。難解さはないが表現は激しく、またフッと瞑想に変わったり……その隙間から心の深遠が見えてくる。
同性愛者としてのアイデンティティを映画にぶつけ続けたデレク・ジャーマン。彼の詩に感銘したドンナ・マッケヴィットが曲をつけ、それにリンクするように器楽曲を加えたもの。闘いつづけた彼のイメージとは逆に、静謐で美しい世界。演奏も上々だ。