ジャンル : 演歌・純邦楽・落語 > 純邦楽・民謡
87年にLPで発売された『合奏曲集成』の復刻だ。ここでの合奏曲とは、3曲を基調にした管絃合奏の大きな組み合わせで、あらゆる和楽器を使っての大合奏、それにコーラスや独唱などが加わった交声曲などまでを指している。大正末から昭和31年にかけて宮城道雄が作曲した曲で構成されている。とにかく野心的で、当初その演奏は狼藉者と映る場面もあったろうと想像させる。箏曲に次々と狼藉者といわれて不思議でない変革者たちが登場する歴史的背景を、宮城の仕事に見ることになる。西欧音楽の様式を導入する過程で登場した和楽オーケストラのための楽曲である。なかでも箏とオーケストラによる「越天楽変奏曲」などが一度は聴いておきたい曲だ。昨今の和楽器演奏によるフュージョン的作品の原型がここにある。意外なほどコーラスや独唱などがフィーチャーされている曲に見られる作曲者・宮城の意図や思惑などを深読みできたりもして、これがなかなか面白い。
早くもデビュー10周年を迎えたうめ吉の記念アルバム。三味線を片時も離さないにもかかわらず、邦楽という枠組みを超え、フランス語やドイツ語のナンバーにも挑み続けていた彼女。その“挑戦の軌跡”がここには収められている。21曲中10曲が未発表曲または新録。単なるコンピCDの枠を超えている。
明治・大正期の古典小唄から現代の小唄までを、一人一曲という構成で収録したアルバム小唄は、戦後の昭和期に政財界人の間で全盛期を迎えたといわれ、庶民にとって短い歌で手頃な古くて新しい芸能でもあった。何度か聴いているうちに、歌詞の語呂や意味がしみ込んでくる。
デビュー10周年を迎えた尺八界の旗手・藤原道山が、道山の師であり人間国宝の山本邦山の作品を演奏したアルバム。なかでも師との尺八二重奏曲「対動」は聴きごたえ十分で、道山ファン必聴のアルバムとなっている。
発売元
日本コロムビア株式会社文楽三味線の人間国宝、鶴澤清治の新録音によるアルバム。このような形で録音されたことは久しくなかったので実に貴重な音源となるだろう。太棹で演奏される人形浄瑠璃の伴奏演目を主に、その重厚感と卓越した技の妙技を聴くことができる。また、ユーモアに富んだ演奏も理屈抜きに愉快。★
浄瑠璃語りの人間国宝・竹本綱大夫の名人芸が満喫できる一枚。数十年ぶりに行なわれた公演の貴重な記録で、竹本綱大夫しか語れない出し物とされている。三味線は鶴澤清二郎。名人二人による名盤が誕生した。
EMIミュージック・ジャパン創立50周年記念企画 EMIプレミアム・ツイン・ベスト・シリーズ 全50タイトル(邦楽25タイトル、洋楽25タイトル)同時発売! ★EMIミュージック創立50周年記念のプレミアム・プライス! 約30曲収録!2枚組!2,000円(税込)! ★レコード会社所有のオリジナル・マスター音源使用! 民謡の宝庫ともいえる津軽地方を中心に、南部、秋田、北海道、などの北国ではぐくまれてきた民謡を「津軽じょんがら節(新節)」から「江差追分」まで多数収録。日本人の魂に響く歌声〜故郷がここにある。
「カーキン音頭」のヒットでも知られる“河内音頭”を広めた功労者、河内家菊水丸の第3弾アルバム。盆踊りの季節には日本全国の櫓に立つ河内家が、「河内十人斬り」「馬の足」「水戸黄門」などを聴かせる。
日本を代表する現代音楽の作曲家・武満徹が驚嘆したという、海童道祖がSP盤に遺した若き日の演奏を復刻。尺八奏者というだけに留まらない存在感を示した海童道祖の、圧倒的な世界に浸ることができる。
発売元
日本コロムビア株式会社40年に及ぶキャリアを持つ筝奏者の砂崎知子が、『春の海』『水の変態』に続き取り組んだ宮城道雄作品集の第3弾。ふたつのテーマを持つ、壮大なスケールがある表題作品が最大の聴きものだが、宮城を語る上で欠かせない朝鮮時代の「唐砧」「高麗の春」なども、古くて新鮮な表現で聴かせる。
浪曲のイメージを一変させた国本武春が、戦国の世で信義の武将だった加藤清正のエピソードに挑んでいる。三味線による弾き語りというブルース・ロック的なバラードといった雰囲気の演奏で、仇と狙う「横手五郎」、家康と秀頼の「二条城会見」を歌い語っている。