ジャンル : 演歌・純邦楽・落語 > 落語・演芸
米朝の端正な藝とは好対照と語られがちだが、松鶴は豪快な藝風の裏に神経質なまでの細やかな目配りが感じられ、その片鱗を鶴瓶が受け継ぐ。文楽『寝床』は旦那の豹変ぶりなど人物描写の妙はさすが。可楽の渋い藝風は、これぞ江戸の粋。陰惨な内容の噺を「冷やでもいいから、もう一杯」でサゲるところに人間の業を語る落語の神髄が。春団治は昭和初期の音源だが、テンポのよさとアクの強いくすぐりに上方の笑いの源泉を感じる。歌笑は混沌とした終戦直後の奇妙な明るさを体現した藝で、あの時代の空気を伝える。
名人といわれた人間国宝をはじめ落語家の名人芸が楽しめるシリーズ。東京の落語を代表する二人は江戸情緒を練りに練った構成で聴かせる黒門町。そして隠れた名人とも言われる可楽の庶民派落語が楽しめる。
戦前戦後の日本に笑いを運んだ伝説の落語家のSP盤を復元。天衣無縫な行動でも知られる初代桂春団治、テレビ番組『ジェスチャー』でも活躍した金語楼など、今は亡き昭和の名人の話芸が堪能できる1作。
落語は人間の業を描くものというが、新作でそれをやってのけたのだから凄い。寄席やテレビでは時間の制約からショート・ヴァージョンだが、本作は65分超の掛け値なしの完全版。古き良き東京弁の歯切れの良さ、間の見事さ、これが本物の東京落語です。★
現在、落語界随一の才能と激賞される談春。50分超の大ネタ2本を収録した堂々の2枚組だ。真に迫った語り口は、すでに“落語は笑うもの”というお約束の範疇をとっくに超えている。独自の解釈を加えた「文七元結」の迫力には、降参するしかない。★
桂文珍が年1回、8月8日にNGK(なんばグランド花月)で開催する八八(はちはち)独演会から、2004年第22回のライヴ。「世帯念仏(小言念仏)」のリニューアル版「新・世帯念仏」とおなじみ「三枚起請」を収録。
関西のお笑いを中心にバラエティ全盛の近年。そんな関西に負けず劣らずの昭和東京漫才を収めたアルバム全5シリーズ。桂子・芳江。てんや・わんや、Wけんじなど、東京ならではのシュールなシャレとリズムの世界を聴くことが出来る。
古典落語の演目を、落語史に名を残す名人の話芸で聴く本格シリーズ。84年に他界した三遊亭円遊は粋な落語家の代表。正妻と妾の間で翻弄される旦那。そこに権助が絡んできたら!?
古典落語の演目を、落語史に名を残す名人の話芸で聴く本格シリーズ。現代の演者にも広く継承されているポピュラーな落語。金に困って心中を企てた花魁のお染。白羽の矢をたてられた金三は、まったくいい面の皮で……。
古典落語の演目を、落語史に名を残す名人の話芸で聴く本格シリーズ。上・中・下と3話に分けて演じられることもある長い話で、独特の語りが人気を呼んだ。「子は鎹(かすがい)」がテーマの、ほのぼの人情落語。