ジャンル : 演歌・純邦楽・落語 > 落語・演芸
多芸の実力派。滑舌が良くて、人情味ある話しぶりに、師匠こん平譲りの“ケレン味”少々。古典の大ネタ二題に加え、定評のあるマクラを三本収録。落語になじみの薄い観客にも面白味を届かせようと奮闘しているし、ジングル挿入などの工夫も利いている。
明治はじめの六代目桂文治が得意だったという「小烏丸」は、今ではめったに聴けない噺だ。川柳や芝居がかりのセリフがアクセントになっている。同様に「辻八卦」でも芝居「忠臣蔵」の「四段目」と「五段目山崎街道」のセリフが……庶民の教養がポイント。
ドラマ『タイガー&ドラゴン』にもレギュラー出演した昇太の古典落語二題。若手きっての名人も、もう40代半ば。モダンなセンスと古典の世界を無理なく結ぶ話芸は、すっかり名人の領域だ。本人による音声解説“トーク・ライナーノーツ”は重宝する。★
浪曲界を牽引する二代目・玉川福太郎の玉川流十八番「天保水滸伝」の主要6話を収録した抜粋盤3枚同時発売のうちの1枚。本作には「鹿島の棒祭り」「笹川の花会」の2話が収録。年齢を問わない語りが楽しめる。
落語家・文珍の現在を古典と新作を交えながら世に問うシリーズの15枚目。「宿替え」は東京では「粗忽の釘」と言う。2題とも子供でも知っている大ネタだけに難しいんだとか。細かいところにも小ネタを振って、とっつきやすく仕立てるのがこの人らしさ。
落語家・小三治が、ラジオ歌謡と言われた懐かしい歌をピアノの伴奏を得て歌っている。歌が好きだった少年の頃の物語を、“まくら”シリーズでお馴染みの語りを聞かせ、かなり稽古をつんだ歌をうたっていく。しんみりニッコリさせる懐かしの歌の数々だ。
上方の、というより昭和30年代の爆笑王ダイ・ラケ漫才が2枚組で全10本。練り上げ、刈り込んだネタの中身の濃さ、ボケと突っ込みの絶妙な間合い、相方の台詞にかぶりそうなギリギリのタイミングで受けるテンポのよさ、どれもこれも絶品の必聴盤。
時代もののパロディで昭和30年代の関西で大人気を博した伝説のコンビ。同35年に夢若が早逝したため残された録音はごくわずかで、単独のCD化は奇跡的。テンポのいいやりとりで、講談や歌舞伎でも有名な歴史物語を爆笑のうちに解体してしまう。