ジャンル : 演歌・純邦楽・落語 > 落語・演芸
上方落語協会の会長を務めていた五代目桂文枝のシリーズ3枚は、50代になったばかりの脂のノッた時代(小文枝時代)の名品揃いだ。[1]の「軽業講釈」は、上方落語の大きな特色である下座囃子(拍子木、鳴り物)が、もともと客の気を引くアイテムであったとの講釈から始まる陽気な噺。[2]の「舟弁慶」は、故橘ノ円都師が常々「小文枝のが一番ええな」と褒めていたもので、夫婦喧嘩が「舟弁慶」のパロディに発展するなど遊び心にあふれている。[3]の「天神山」は、狐と結婚した男のにぎやかな人情噺。
“はんなり”と形容された文枝の芸風が堪能できる、廊噺と歌舞伎風の噺をカップリング。80年4月25日の京都文化芸術会館での独演会ライヴの模様を収録。いずれも文枝の十八番だ。
ちょっぴり怪異な歌舞伎風噺とアウトドア版茶屋遊びの冒険談の2席。80年7月24日、東京・三百人劇場での独演会ライヴの模様を収録。上方落語の重鎮・文枝ならではの味わいが堪能できる。
米朝の端正な藝とは好対照と語られがちだが、松鶴は豪快な藝風の裏に神経質なまでの細やかな目配りが感じられ、その片鱗を鶴瓶が受け継ぐ。文楽『寝床』は旦那の豹変ぶりなど人物描写の妙はさすが。可楽の渋い藝風は、これぞ江戸の粋。陰惨な内容の噺を「冷やでもいいから、もう一杯」でサゲるところに人間の業を語る落語の神髄が。春団治は昭和初期の音源だが、テンポのよさとアクの強いくすぐりに上方の笑いの源泉を感じる。歌笑は混沌とした終戦直後の奇妙な明るさを体現した藝で、あの時代の空気を伝える。
名人といわれた人間国宝をはじめ落語家の名人芸が楽しめるシリーズ。東京の落語を代表する二人は江戸情緒を練りに練った構成で聴かせる黒門町。そして隠れた名人とも言われる可楽の庶民派落語が楽しめる。
戦前戦後の日本に笑いを運んだ伝説の落語家のSP盤を復元。天衣無縫な行動でも知られる初代桂春団治、テレビ番組『ジェスチャー』でも活躍した金語楼など、今は亡き昭和の名人の話芸が堪能できる1作。