パイアー・オブ・ザ・ブラック・ハート
ナイトウィッシュの男声ヴォーカリスト/ベーシストとしてメタル大国フィンランドに君臨するマルコ・ヒエタラが遂にソロ始動。
よりヘヴィかつメロディック、そしてドラマチックに自らを解き放つ心の旅路。
ナイトウィッシュの男声ヴォーカル兼ベーシストとして知られるマルコ・ヒエタラ。2001年に彼が加入してナイトウィッシュが発表したアルバムは5作連続で母国フィンランドのナショナル・チャートで1位を獲得、ヨーロッパやアメリカ、そして日本でも絶大な支持を得ている。
さらに彼はタロットやシナジー、ノーザン・キングスなどでも活躍、アモルフィスのプロデュースを手がけ、アヴァンタジアやアイリオンなどのスーパー・プロジェクトにも参加するなど、メタル大国フィンランドのシーンにおいて欠くことの出来ない重要ミュージシャンだ。
35年にわたって多彩な活動を経てきたマルコが2020年、満を持して発表する初のソロ・アルバムが『パイアー・オブ・ザ・ブラック・ハート』である。
「いかなる制限もない、自由な制作」を行った本作の音楽性について、マルコは“ハード・プログレ”と表現している。ヘヴィでメロディック、プログレッシヴでドラマチックなスタイルには随所でフォーク/ペイガン的な旋律も込められており、過去15年をかけて書き綴られた楽曲の集大成として相応しいものだ。
アルバムに先駆けてリーダー・トラックとして発表された「ストーンズ」からマルコの世界観が全開。シンフォニックな要素はナイトウィッシュより希薄だが、1970年代のプログレッシヴ・ロックからケイト・ブッシュ、トーリ・エイモスなどからインスピレーションを受けたというドラマチックな展開が全編を貫いている。ピンク・フロイドからの影響も覗かせる「フォー・ユー」、抒情派の「アイ・ドリーム」「トゥルース・シャル・セット・ユー・フリー」など、深みをたたえたサウンドは単なるサイド・プロジェクトの域をはるかに超え、マルコ・ヒエタラというアーティストの新局面を描ききったものだ。
あくまでマルコのリーダー・アルバムでありながら、実力派ミュージシャン達が彼を支えることで、さらなるクリエイティヴな高みへと至っている。トォマス・ワイノーラ(ギター)はコティペルトでの活動で知られ、2011年には“3Ts (スリーティーズ)ジャズ・ロック・セッション”で来日したこともある。
ヴィリ・オイリラ(キーボード)はメタル・クリスマス・プロジェクト:ロスカスタ・ヨゥルアでフィンランドのお茶の間でも人気だ。
アンシ・ニカネン(ドラムス)はティモ・トルキやハヴァナ・ブラックとも共演したことがあり、マルコと重厚かつ繊細な化学融合を起こしている。
本作は2019年5月、『Mustan Sydämen Rovio』としてフィンランド語ヴァージョンが発表されたが、日本でリリースされるのは英語によるインターナショナル・ヴァージョン。ナイトウィッシュでも長く英語で歌ってきたマルコは本作でも伸びやかなヴォーカルを披露している。
ナイトウィッシュの一員として活動を続けるマルコだが、2020年2月にはソロ・アーティストとしてのヨーロッパ・ツアーも行われる。世界のメタル・ファンの“黒き心臓”に火を灯すときが来た。
【メンバー】
マルコ・ヒエタラ(ヴォーカル/ベース)
トォマス・ワイノーラ(ギター)
ヴィリ・オイリラ(キーボード)
アンシ・ニカネン(ドラムス)