アンコンカード
カナダのデス・メタル・バンド、カタクリズムによる14枚目のアルバムが登場。
自ら「ハイパーブラスト」と呼ぶ激烈ビート、そしてカタクリズム節と でも言うべき独特のメロディ満載の本作は、全デス・メタル・ファン必聴。
【日本語解説書封入】
カタクリズムはカナダのデス・メタル・バンド。
結成は91年なので、活動歴ほぼ30年の大ベテランだ。
数本のデモを発表したのち、ニュークリア・ブラストと契約。
93年に『TheMysticalGateofReincarnation』EPでデビューを果たす。
自ら「ハイパーブラスト」と形容する凄まじすぎるドラミングは、ブラストビートが当たり前のものになっていた93年の時点においても衝撃的であった。
95年には『Sorcery』でアルバム・デビュー。
カタクリズムの名はデス・メタル界に轟くこととなった。
その後、四半世紀以上の長きに渡り、バンドは精力的な活動を継続。
ほぼ2年周期でアルバムをリリースし続けているというのだから、彼らの創造の泉は尽きることがないのだろう。
そして、このたびリリースになるのが14枚目のアルバム『アンコンカード』だ。
カタクリズムというと、「デス・メタルからスタートし、メロディック・デス・メタルへと移行していった」という捉え方をされることも多い。
だが、彼らの場合、そのメロディックな萌芽は初期の頃からあったと考えることもできる。
ハイパーブラストを標榜しつつも、彼らのプレイするデス・メタルが非人間的であったことはない。
極初期においても、そこはかとないメロディやヘヴィメタル特有の雰囲気を常に漂わせているのが彼らの特長でもあった。
それはアルバムのアートワークや、妙に長い曲のタイトルなどにも表れていたことである。
近年の作品においては、もともと持ち合わせていたメロディックな要素を膨らませて見せたということだ。
前作『Meditations』から2年。
今回はプロデューサーとして、コリン・リチャードソンを初起用。
コリンはカーカス、カンニバル・コープスやマシンヘッドのプロデュース等の他、カタクリズムのヴォーカリスト/ベーシストのマウリツィオによるサイド・プロジェクト、エクス・デオのミックスなども手がけた人物である。
ハイパーブラスト、そしてカタクリズム節溢れるパワフルな『アンコンカード』は、全デス・メタル・ファン必聴。