音楽むすび | 柳亭市馬 1::ひなつば/お神酒徳利

柳亭市馬 1::ひなつば/お神酒徳利

柳亭市馬 1::ひなつば/お神酒徳利

柳家小さん門下の四代目柳亭市馬。2006〜2007年の鈴本演芸場と池袋演芸場での高座をライヴ収録。「お神酒徳利」の煤払いをきっかけに始まる善人の言い訳の嘘が、次々と事件を生んでしまう奇想天外の展開を見せる。噺と市馬の真っ直ぐな口調とがマッチしている。人情噺によっては多少だが、辛気臭く感じる面もある市馬だが、「ねずみ穴」ではそれがリアルな夢となり、わかっていながら、兄への恨み辛みが真に迫り、夢から醒める落ちで一気に救われる。2集に収録の3席では、噺に軽妙さがあって、展開も快速である。

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NHKで収録された高座からひとり1枚でセレクトをしたシリーズ。三人は故人だが、残りは現役ばりばりの噺家中心。「こないだのあの人、面白かったね」くらいの軽いきっかけで、買えるCDというのが売りなのだろう。滑舌とテンポで聞かせる米丸は3作とも新作。歌丸は、やり手の少なくなった古典を語る。師匠遊三の貫禄に対し、弟子小遊三は軽みで勝負。復活が望まれる円楽は、80年代の高座を収録。新作勝負でクセの強い円歌、物真似上手な馬風と、渋いところが続く。重鎮の金馬は、なぜかおならの噺「転失気」を収録。かつての茶の間の人気者、円蔵は個性でゴリ押し。今や押しも押されぬ名手、小三治、20年前の高座でも一気に引き込まれる。扇橋は端正な語り口が魅力。木久蔵は、古典の基礎があることを証明。権太楼も地味ながら昔日の空気を伝える名人。川柳のやけっぱちジャズ落語は異色そのものだ。志ん輔は志ん朝亡き今、貴重な継承者で、大事にしたい。ここからは故人。痴楽は60年代の高座を収録だが、時代を超えた面白さがある。2004年、2005年と相次いで亡くなった文治、文朝。ともに古き良き落語を残す噺家だった。 2005/12/07 発売

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