バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ
理論的には分かっていても、ヴァイオリン一本でバッハの意図した響きを感じさせる演奏に出会う確率は少ない。しかしギターだとそれが実に明快に聴き取れる。もちろん山下の技術・耳・音楽性あってのことだが。傾聴を誘う落ち着いた表現だ。
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山下和仁/J・Sバッハ山下和仁/J・Sバッハ
山下の新しい挑戦はバッハ。全て自身の編。以前BWV1004を録音しており、基本的には一見変わっていないようにも思えるが、フレージングの明確化、「間」の取り方の巧みさなど、進化より深化があるようだ。成熟と深化……これが彼に課せられた永遠の課題だ。 1989/11/21 発売
山下和仁 無伴奏チェロ組曲 全曲山下和仁 無伴奏チェロ組曲 全曲
山下の成長(成熟?)を物語る素晴らしいCD。曲想は深みを帯びて聴く者の感動をいや増し、激しいタッチでともすれば固くなりがちだった音色も丸みを得て好ましいものになり、しかも激しさは失わない。緩徐楽章の味わいなど驚嘆すべき深さに達している。 1990/10/21 発売
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「リュート組曲」と題してこれで完結されるバッハ・シリーズ。BWV955以外(これはチェロ組曲の編曲として既に入っているのか?)の該当曲、フルート用の無伴奏パルティータが加わる。この技なのだから円熟して再録される時の素晴らしさを想像してしまう。 1991/12/16 発売