発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
女性ヴォーカル、スィレーニを中心に結成されたブラジリアン・ポップス・グループの2作目。アコースティックな楽器だけでなく、曲によっては打ち込みも用いている。今回はドラムン・ベースによる(12)が話題になるかも。クラブ系サウンド好きにもお薦め。
ベスト。いやぁ、「伊勢佐木町〜」をはじめ、「恍惚の〜」とか「眠られぬ夜の〜」とか「気まぐれ〜」とか、“ブルース”の目白押しですよ。「ブルー・ブルース」なんてのもある。こんな歌ばっか歌ってて本人はブルーになんないのかな。存在感はさすが。
奄美大島の北部に伝わる「笠利節」のウタシャ(歌い手)、当山ミツヨの歌声は“しまうた”を特別なものと思い込みがちのこちらの気持ちをほぐしていく。島で紬の機織りをしている歌のうまい主婦が、近所の人たちと“歌遊び”をしているかのようである。
結成20周年を迎えた日本の元祖パンクといえばザ・スタークラブ。タイトルどおり、元ジュンスカの森純太、黒夢の清春、バクチク、レピッシュと錚々たるゲストが参加しヒカゲを盛り立てている。でも、新リスナーのための系譜ぐらい添付してもよかったのでは。
フルートのようなシンプルな楽器を4本集めただけで、よくこれほど豊かな音楽世界が作れるものだと感心した。何よりもアンサンブル能力が素晴らしく、まるで4本のフルートを1人で吹いているかのようだ。今後もどんどんレパートリーを広げてほしい。
戦後50年以上の歳月が経過しても、世界中で不滅の人気を誇る名門グレン・ミラー楽団。このCDは、ラリー・オブライエン率いるミラー・オーケストラによる珠玉の名曲20曲を収録(90年と92年の録音)。高音質サウンドでその感動も倍増するはずだ。
92年にカナダのトロントで結成されたカルテット・ジェラート。欧米でもっともホットなグループと注目を集めている。これはデビューCD。多彩なレパートリー、斬新な楽器編成、そしてアイディアにみちた編曲と洒落た演奏が魅力。大いに楽しめる1枚だ。
ヴォーカルとギター2人という変則的なユニットのセカンド・アルバム。リズム隊にゲストを迎えてロンドンで録音されている。ジャケットやタイトルの印象どおり、童話ののどかな不気味さみたいな二面性を感じさせてくれる、イマジナティヴなサウンドだ。
ギリロフとダニエラは長年デュオ活動をしてきたが、日本でディスクが発表されたのは初めてらしい。2人は今回の録音に際し、オリジナル版を再検討したという。速すぎないテンポ設定が目立ち、がっちりと構築され、重厚にして情感あふれた演奏である。
曲にこれほど作曲者の人柄があらわれるというのも面白い。青島氏の楽しいキャラクターと「マザーグースの歌」(谷川俊太郎)の意味深な詩が見事に融合する。どこぞで聴いた音楽のフレーズがパロディックに登場したりもするが、旋律はいたって親しみやすい。