発売元 : ヴィーナスレコード株式会社
制作・出演
アルヴィン・アトキンソン / アーロン・ヘイク / シモーネ / シモーネ&ハー・ハワイアン・ジャズ・バンド / ジェームス・ジナス / ジョン・ディ・マルティーノ / チェンボ・コーニエル / ポール・メイヤーズオーストリアのシンガーが、ハワイの作曲家による作品やハワイおよび南太平洋にゆかりのある曲を歌った2010年、NY録音作。演奏はボサ・ノヴァやラテンが基調で、涼しげな音が軽やかなヴォーカルに合う好企画。フルートのソロが涼風を思わせる「珊瑚礁のカ彼方」、スウィートな声と表情が心地よい「夕日に赤い帆」など、充実の仕上がり。
ルグランの作品を取り上げた名曲集。「シェルブールの雨傘」はルグランの代名詞とも言うべきミュージカルの名曲、映画ではドヌーブの可憐な印象ととともに大ヒットとなった。ラストではワルツで再演しているがこれも捨て難い。「ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング」のようなバラードでは、ビル・エヴァンスとは一味違うリリシズムが印象的である。
おなじみビル・チャーラップによる2010年のトリオ作品。本作はギターとベースを従えた旧式ピアノ・トリオであり、スリルこそ無いがスタンダードを素材としたメロディ重視の演奏が存分に堪能できる。
ショパンという、ある意味で“鉄板”の素材を料理するには、このトリオくらいの力量がないとダメってことなんだろう。マルティーノの甘く艶のある音色、幻想的なフレーズは見事にハマっている。いかにも日本人好きする企画なるも、企画性を技術が凌駕し、しまいには圧倒される。
オーストラリア出身のウッド・ベース弾き語りシンガーがNYでレコーディングした2010年作。艶やかさの中に達観がのぞくヴォーカルの個性が活きる「ダーク・アイズ」、気怠さと力強さを行き来する表現に妹リサのバスクラが効果的に絡む「ブラック・コーヒー」、腰の据わったスウィング感が心地よく、ハリー・アレンのソロも聴きどころの「フィーバー」などがいい。
フラームのテナーはとてもソフトな優しさに満ちた音色が特徴だ。日本ではヴィーナスのこの作品が彼の初リリース。サポートするチェスナット(p)のプレイも聴きどころ。ラテン・ナンバーやバラードをたっぷりと楽しんだ。白人テナーに注目すべき人材が現れたのではないか。