発売元 : 日本伝統文化振興財団
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日本伝統文化振興財団第11回邦楽技能者オーデション合格者記念CD。岡村慎太郎(東京藝大音楽学部邦楽科、同大学院音楽研究科修了)は、「四季の眺」と「笹の露」で歌と三弦、「雲井の曲」で歌と箏を担当。品格のある演奏はもちろん、柔らかで艶のある歌声も魅力的。大学同期の藤原道山、妻の岡村愛などが助演。
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日本伝統文化振興財団筝や三弦を中心に邦楽を学ぶ場として設立され、50年にわたって音楽家や師範を輩出してきた正派音楽院の活動を世に問うべく録音されたアルバム。収録は委嘱作4作。いずれも伝統や型の墨守に留まらぬ新たな感性が盛り込まれ、筝の響きの魅力に開眼させてくれる。
名録音盤として名高いアルバムが、SHM-CDで復活した。82年のサントリー音楽賞受賞記念演奏会のライヴ録音だが、当時の最新機材と技術による、生々しい音場感は今聴いても圧巻。当日のプログラムや音楽誌の掲載原稿から集成した、90ページに及ぶ増補版ブックレットも素晴らしい。
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日本伝統文化振興財団民謡歌手でもある相原ひろ子のもうひとつの顔である、新舞踊向けの作品に取り組む舞踊歌謡歌手としての一枚。「男船」で知られる松井由利夫の作品が4曲を占めるほか、市丸の「三味線ブギウギ」や高峰秀子の「銀座カンカン娘」なども収められ、彼女の節回しからはタイトルに通じる小粋な面がにじみ出ている。
79年1月6日からの13夜にわたる高座での13席を収録。関東人には馴染みの薄かった松鶴だが、そのパワフルで豪放な芸風と口調、ガラガラの声質などが憑依したかのように弟子の笑福亭鶴瓶へとつながっていると実感させる。この録音は松鶴が脳溢血で倒れた後、カムバックしてのイベント的な高座である。全盛期ではないが、松鶴といえば芝居噺と酒盛り噺で知られたように、得意としたそれらの話が中心の演目となっている。関西の言葉に馴染んだ今日では、東京人にも松鶴の気質を含め、その面白味が伝わりやすくなってきたようだ。松鶴も気にしていたらしい、初日の米朝の口上にニンマリ。
針ノイズを電気的に除去したSP復刻のシリーズ。音の輪郭が幾分ぼやけるのは致し方ないが、聴きやすさという長所は捨て難い。骨董的なメルバの歌唱に始まる第5巻。オネーギン、レーマン、メルキオーの歌唱に耳を奪われる。白眉は若きフェリアーによるメンデルスゾーン。豊かに響くアルトが胸を打つ。第6巻ではゲルハルトの「野に独りいて」に注目したい。このシリーズに収録された彼女の歌唱中最良の録音だ。第7巻ではフランス語で歌われたパンゼラの粋な「ドン・ジョヴァンニ」とベルガーの完全無欠な「夜の女王のアリア」が一頭地を抜く。オーストリア歌曲集の2枚も名唱ぞろい。8種の「魔王」(第8巻)ではオペラ歌手ガトスキならではの劇的表現に感銘を受ける。スレザクの「菩提樹」(第9巻)は未来永劫聴き継がれるべき逸品であり、イーヴォギンの「ウィーンの森の物語」(同)は美声の極みと言って良い。
往年の名歌手たちのSP盤からの復刻シリーズの第6巻。ベートーヴェン、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、シュトラウスらを収録する。歌唱の変遷などがうかがえて、声楽ファンには興味深いアルバムだろう。
往年の名歌手たちのSP盤からの復刻シリーズの第7巻。モーツァルト、J.シュトラウスのオペラ、オペレッタのアリア集である。現在とは発声、表現法などが大分違っている人もおり、声楽史の資料としても貴重だ。
内藤孝敏によるノイズリダクション方式によるSP盤からの復刻シリーズ第8巻。ここでは、シューベルト歌曲集となっている。なかでも「魔王」は8人の歌手たちの競演が聴け、これだけでも非常に面白い。
往年の名歌手たちのSP盤からの復刻シリーズの第9巻。内藤孝敏によるノイズリダクション方式による復刻だ。シューベルト、J.シュトラウスに加え、シベリウスらも収録している。個性豊かな歌手たちの競演が楽しめる。
63年に発売された7枚組LPの、初のCD復刻盤。一般には一種類と受け取られがちな琵琶だが、実は雅楽の琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶などそれぞれ異なる形態で、もちろん、その音楽は独自の道を歩んできた。それら多岐にわたる琵琶楽を5枚のCD(初出時は7枚のLP)にまとめたのがこの企画だ。これを聴くと、奈良朝の頃に中国から伝わったと言われる琵琶という楽器が、長い歴史のなかで社会構造や風俗の変化に対応しながら広がってきたことを実感する。近年は日常の社会では忘れられた存在になりつつあるが、これを機会に琵琶楽が注目されることになってほしいところだ。ディスク5のラストに武満徹作曲の映画『切腹』のテーマ曲が収録されているなど、決して過去の遺物ではないわけで、そのあたりから聴いてみるのもいいかもしれない。