発売元 : 日本伝統文化振興財団
2008年に亡くなった桃山晴衣の79年10月発表作の復刻。宮薗流の四世宮薗千寿(人間国宝)の唯一人の内弟子として修行した彼女が三味線を弾き、現代人が理解できる日本語で歌う時、その軽さは繊細でとても美しい響きとなる。「虚空の舟唄」では坂本龍一がシンセで参加している。
注目の女性民謡歌手、加賀山紋(あや)のセカンド・アルバムは北陸3県の民謡が全10曲。金沢市出身で父親が民謡歌手というだけあって、彼女の身体にしみ込んだ原風景が唄声から伝わってくる。長唄三味線や鼓も学ぶなど、旧来の民謡の枠を超えた活動ぶりは、次になにをしてくれるか楽しみな存在だ。
往年の名歌手によるSP盤から聖歌を集めたCD。カルーソーやジーリの立派な歌唱から、幾分古風なスタイルのポンスまで、針音が巧みに除かれた復刻で伝説の歌声が味わえる。聴きものは最後のカストラート、モレスキ。人の心を惹き付けるなんとも不思議な声だ。
2005年にリリースされた『日本民謡まるかじり100』の続編で、全国の有名な民謡を100曲収録した2枚組。ひと口に民謡といっても作風はさまざま。聴くごとに新たな発見があるはず。
『日本の合唱まるかじり』シリーズの第2弾。日本の代表的作曲家50人の合唱曲50曲をまとめた作品で、CD既発売の『日本合唱全集』から厳選された曲に、初CD化音源を追加。日本合唱曲のエッセンスが凝縮されたアルバムとなっている。
将来に残していきたい音の聞こえる風景として環境省が選定した“日本の音風景100選”をCD化。北海道から沖縄まで、日本各地の美しい音色が、疲れた体をやさしく癒してくれる。
イタリア近代の作曲家チマーラ。流麗な旋律の歌曲は「ストルネッロ」など知名なものもあるが、まとめて録音したのは川本愛子が最初である。第1集に比べ新録音の第2集はさらにレアな曲が多い。「春の歌」など声の力に衰えがみられるものの、熱意には頭が下がる。
チマーラの歌曲集を日本で初めてリリースした川本愛子が、新たに録音した第2集。日本人としてチマーラの最高の理解者といえる川本による待望のアルバムで、花岡千春がピアノで華を添えている。
劉薇は文化大革命を体験し日本在住二十数年のヴァイオリニストだ。彼女の持つアイデンティティが本アルバムと見事に照応するのに驚く。寺嶋陸也や貴志康一の旋律に内在する日本的中国的資質の表出や歌わせ方が素晴らしい。山田耕筰、矢代秋雄、そして助川敏弥の逸品も秀逸。
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日本伝統文化振興財団藤原歌劇団の創設者、藤原義江(1898〜1976)の、名テノールとしての足跡が見事な復刻で蘇った。オペラの普及期ゆえに、すべての曲は日本語で歌われているが、海外のオペラ・ハウスで鍛えられた美声は、21世紀の耳で聴いてもさすがに別格。カレーラスを彷彿とさせる色気あふれる歌い口は、絶品と言ってもいいものだ。“洋楽篇”と“日本歌曲編”の2セットに分売されているが、内容は実質4枚組。前者は昭和8〜15年、後者が大正15〜昭和7年発売と、音源の時期が異なるため、経歴に沿った声や歌い口の変化も興味深い。
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日本伝統文化振興財団歴史的なSP盤のアナログ音源を、最新のデジタル技術と音楽的アプローチによって修復する“ノイズレスSPアーカイヴス”シリーズの第4弾。明治31年生まれのテノール、藤原義江が昭和初期〜15年頃に録音した「宵待草」などの日本歌曲を収録。
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日本伝統文化振興財団2010年の“平城遷都1300年”に向けた、奈良をテーマとしたアルバム。NHK大河ドラマ『天地人』など多くのドラマの音楽を手掛ける大島ミチルの作編曲を中心に、琵琶奏者の上原まりが邦楽界の若手実力派との共演を実現した渾身の一作となっている。