発売元 : 日本伝統文化振興財団
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日本伝統文化振興財団福原徹は篠笛から能管まで自在にこなすバリバリの邦楽の笛方である。彼は主に長唄や古典を中心に活躍するが、作曲もする。本盤には自作品とバッハの編曲も織り交ぜる。とりわけ囃方(はやしかた)の楽器によるアンサンブル曲は新境地を切り開く印象で面白い。
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日本伝統文化振興財団邦楽作曲家の重鎮、二世今藤政太郎の作品集第5弾は、能の「能楽囃子による組曲」と狂言の「船渡聟」の2曲。「能楽囃子による組曲」は囃子と箏・三味線・コーラスの組み合わせという画期的な作品。「船渡聟」は和泉流狂言を舞踊化した作品で、いかにも狂言らしい軽妙な味が楽しめる。
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日本伝統文化振興財団三味線ファンク・バンド“THE家元”などでの活動でも知られる三味線の杵屋裕光、近年力強さを増している唄方で弟の杵屋利光という“杵屋兄弟”による現代長唄のマニフェスト的作品。高度な技巧を求められる難曲で、演者の腕の見せどころを心得た会心作だ。★
「あすの別れ」は、1956年9月25日に発行された随筆集で、そのなかから“上”は13篇、“下”は11篇の朗読を収録。1949〜1956年に発表された作品で、音楽に対する考えや交遊エピソードなどが語られている。川口敦子と中野誠也の端正な語り口が好ましい。
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日本伝統文化振興財団親しみを込めて“ジョギ”と略称されることもある女流義太夫の第一人者で、人間国宝でもある竹本駒之助の全集である。男性には表現できない義太夫節がそこにある。男による人形浄瑠璃(文楽)や歌舞伎などの舞台に出られなかった歴史を持つ女流義太夫は、素浄瑠璃という演奏スタイルで展開されていく。物語を語る太夫と低音域の太棹三味線(鶴澤津賀寿)とで描写していくのである。その演目は男・女に違いはなく、この全集には浄瑠璃・義太夫節の代表的作品を収録している。『平家物語』や『源平盛衰記』を題材にした梶原源太をめぐる物語が展開される「ひらかな盛衰記」神崎揚屋の段(ディスク1)から源義経伝説をテーマにしつつも平維盛を主人公にした「義経千本桜」すし屋の段(ディスク10?11)までを各CDに一話ごと収録。歌舞伎や文楽ファンならば、知っている物語ばかりである。
41歳という若さで世を去った七代目小柳枝(1921?62)による、古典落語四題。生真面目な中のひょうげた対話で笑いを取る芸風で、酔っぱらいの描写には特にいい味があり、「子別れ」「馬の田楽」のサゲなど思わずつられ笑い。「強情灸」でのとぼけっぷりもいい。
八代目桂文楽の弟子で、東京水道局の職員から噺家へ転じた三升家小勝の昭和30?40年代ならではのラジオ音源(ラジオ京都、TBSラジオなど)を集めているシリーズで、その多くの噺が初商品化という貴重盤である。師匠である文楽の口調にメリハリを利かせた感じのテンポによる小勝の明るい口調が特徴だろう。水道局時代の体験話を元にした「水道のゴム屋」やサラリーマン経験があればこその「操縦日記」などの新作落語と、「真田小僧」「壺算」などでくすくすと笑いが湧いくる古典落語の両方を好演している。
信時潔はドイツで学んで、ドイツ・ロマン派の書法をしっかりと身につけ、山田耕筰と並ぶ日本作曲界の重鎮とされてきた作曲家だが、多くの音楽ファンにとっては、今や「海ゆかば」くらいしか知らない存在だろう。ここには、合唱曲や唱歌、器楽曲から社歌、校歌、NHKの放送開始の音楽まで入っている。カンタータ「海道東征」の初出録音をはじめ、日本人初のチェンバロ作品など、貴重で興味深い録音、作品が多い。なかでいちばん興味深かったのは戦時下の作品群だ。ディスク5と6にまとめられている。大政翼賛会の標語「此の一戦 何がなんでもやり抜くぞ」にまで作曲しているのだ。それと、上記の「海道東征」をはじめとする紀元二千六百年祭関連作品など、考えさせられる。これは、戦前戦中を中心に録音されたものをほぼ網羅し、SP盤と金属原盤から復刻した画期的なボックスである。