発売元 : 株式会社フリーボード
コンセプトによるカヴァー・アルバムが多いが、これは男性アーティストが歌った名曲カヴァーの第2弾。前作はニューミュージックだったが、今回はなんと演歌! 元アイドルとは思えぬ艶っぽさで歌う。男性が女心を歌った歌を、女性である柏原芳恵が歌うという逆パラドックスが面白い!
72年のデビュー曲「雨」の大ヒットで知られる歌手・三善英史の、2年ぶり36枚目のシングル。30〜40代の男性が桜を見て若い頃の恋を思い出した時のせつなさを表現したとのこと。徹底的にしっとりとした作りで、演歌というより叙情歌謡といった雰囲気を感じさせる。
「悪童(わるがき)」は日高耀湖作詩・池田進作曲で、イントロのファズ・ギターの音色からして、よき時代の都会派ムード歌謡の世界にワープ。松本久茂の男っぽさムンムンの歌唱も雰囲気を盛り上げる。「手紙」は松本自身の作詩曲だが、イントロの鶴田浩二+渥美清風語りからして説得力あり。
デビュー10周年を迎えてのファースト・アルバムは、「対馬海峡」「花忍」などオリジナルにカヴァー曲を含めた全16曲を収録。よく響く低音と伸びやかな高音を活かした歌唱力は魅力的。芸名に出身地、壱岐対馬の壱を使い、“対馬一誠”から“対馬壱誠”に改め、新たな挑戦への意気込みが感じられる。
カラオケのスタンダードが2曲。もちろん、オリジナル・カラオケ付き。ベンチャーズの「十番街の殺人」風イントロで始まる「星降る街角」に、アラ還世代はまずニヤリ。「わたし祈ってます」はオーソドックスなムード歌謡の味で聴かせる。どちらも都会的な洒落た仕上がりで面白い。
正木はじめの歌手生活10周年を記念したシングル。作曲家の四方章人の出世作でもある同曲を28年ぶりにリメイクしての力作。癒し系の作品を甘いヴォーカルでしっとりと歌い、時代を超えて名曲を現代に蘇らせた。カップリングも名曲として知られる「ミモザの女」。
バッキー白片の生誕100年記念アルバム。白片の息子4人を中心に編成されているアロハハワイアンズによる新録音2枚組だ。「夏の夜の思いで」は、かつて石原慎太郎が作詞したもの。日本にハワイアンを定着させたバッキー白片を思い出させる選曲。
キュートな明るさを感じさせる声質が大木綾子の持ち味だ。その歌声を活かしたポップス風の演歌をうたっているのが応援歌「元気を出して」。初めてのワルツ調の歌「雨のワルツ」でも、深刻さではなく、ある種の希望めいたものを感じさせる歌声なのだ。
メンバーの一人で、2009年1月に亡くなった青山孝史の追悼盤。「ずっと君を愛してた」「Never Ending」の松井五郎の詩が心に染みる。永六輔・いずみたくの作品「見上げてごらん夜の星を」に、そして故人が作曲した「it's more 愛(いつも愛)」の温もりのあるメロディに、過ぎし日を思い出す。ボーナス・トラック「会いたい」「愛燦燦」「愛乃讃歌」「Far away」は青山孝史のライヴを収録。