1996年10月21日発売
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」作品33&39ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」作品33&39
最近とみに冴えた演奏を聴かせる小山の最新録音。この曲、ペダルの使いようによってはモコモコした曖昧な響きになったり、逆にゴツゴツし過ぎたりするのだが、彼女は絶妙なバランス感覚で印象派風に処理している。知らずに聴けばラヴェルだと思うかも。
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調「運命」ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調「運命」
2曲ともマゼール2度目の録音で、(1)は名古屋、(2)は東京でのライヴ。甘めのウィーン・フィルの音も、ここではピシッと引き締っている。一見音楽は非常にストレートのように見えるが細部に至るまでマゼールの目が行き届いている。緻密か神経質かに意見が別れるかもしれない。
ベルリオーズ:幻想交響曲ベルリオーズ:幻想交響曲
バレンボイム2度目の録音。BPOのCBS録音の第1弾。前半では非常に柔らかく思い入れたたっぷりとした表情が時々顔を出すが、後半ではオケのもの凄いパワーが全開される。低音から重低音の迫力は特に凄いし、第5楽章のコーダの熱狂ぶりはかつて体験したことがない程だ。
チャイコフスキー:大序曲「1812年」/スラヴ行進曲ほかチャイコフスキー:大序曲「1812年」/スラヴ行進曲ほか
3曲ともVPOによる録音はこれが初めてだった。マゼールの棒に応え、VPOならではの音色と品位を保持しつつ、迫力に充ちた演奏が展開されているのが聴きもの。(1)の大砲に加え、小銃の音も加わった。(3)はパノラマ性が強い。