音楽むすび | 1997年4月発売

東芝EMI在籍時の作品から選ばれた、初のベスト・アルバム。(8)(10)(13)はアルバム未収録。ギター・サウンドを基調としたストレートなロックンロールがその柱だが、中にはセンチメンタルなナンバーもあり、聴かせる部分も多分に持ち合わせている。

派手で陽気な高座は師匠の桂枝雀ゆずり。大阪ではタレントとしても人気者だが、古典もしっかりとこなす実力派だということがわかる1枚。2題とも有名なネタだが、噺の本筋以外に脱線していくところに彼の憎めないキャラクターがよく出ている。

米朝一門にあって“芝居噺は吉朝”といわれる桂吉朝の『おとしばなし「吉朝庵」』シリーズの第1作。三途の河の渡し船での渡し賃の計算する鬼の船頭が笑わせ、六道の辻は盛り場の案内では地獄寄席に米朝まで出演させ、念仏屋もあったりして爆笑続きだ。★