1997年5月21日発売
グールド急逝のため未完となった「バッハ:イタリアン・アルバム」用の録音をベースとしている。「イタリア協奏曲」は旧録音だし、「?」はいくつもあるが、初出も豊富で貴重。マルチェルロのオーボエ協奏曲の編曲版などは思わず泣けてしまう名演。
アメリカ祭典系音楽がお得意のウィリアムズ&ボストン・ポップスがマーチを演奏して非の打ちどころがある筈もない。約半数がスーザ作品の中、ウィリアムズ作の(2)(14)もさすがにカッコ好い。聴いている方が息切れするほどエネルギッシュなマーチのパレード。
デボラ・ボイトやベン・ヘップナーなど、いまが旬の歌手を配した魅力のオランダ人。じつにハリのある声だ。オランダ人のモリスの安定した存在感もいい。そしてレヴァインの指揮が巧い。荒々しく迫力もあるのに、音楽は熟成されている。感心するばかり。
スタジオ録音落語のもはや古典的名作待望のCD化。「お化長屋」は下まで入っているし「おかふい」なんてなかなか聴けないしで、圓生師のやる女性は珍妙であったり過剰に色気があったり薄幸そうだったりするが、どれも独自のおかみさんであることが凄い。
生前は落語家としての活動のみならず俳優としても活動、CMでは「バカウマ」という流行語を生んだ圓生の、[1]は74年10月、[2]は75年5月の口演を収録。伝承古典落語だけに現代社会には実在しないが、そのぶん古き良き時代の夢もある。
六代目三遊亭圓生によるか「掛取万才」「鰍沢」のニ寄席を、ダイレクトに収録した本作。お囃子の音色から導きだされ始まっていく圓生の語り。その表現豊かな声の表情により、いつしか話の世界へ身を投じている自分に気付くはず。これ、かなり面白いわ。
圓生が晩年(75〜76年)にスタジオ録音したシリーズのCD化。圓生は笑わせる芸ではなく、江戸の人情噺の粋のワンダーランドである。それぞれに「芸談」が付いている。噺の長い「火事息子」では返りマクラがあり、彫りもの(刺青)解説をやっている。