1998年1月21日発売
これはうれしい。デビュー曲から73年10月「他人の噂」までの日本コロムビア時代の平山三紀/筒美京平作品全22曲を完全収録。R&B歌謡平山節は日本のソウル。軽妙だがねばりはたっぷり。少々シラケっぽさがむしろぐっときてしまうほど素敵。
(1)は昭和33年、(2)は同34年、(3)は同27年のNHK音源。いずれも三代目金馬の代表作。アクの強さが目立つが、よく聴いてみると実に巧い人であったことが分かる。モノローグ(?)噺の(2)のダレないこと、そして(3)の江戸情緒の漂い……昭和の名人の1人だ。
昭和の古き良き落語を記録したシリーズで、ここでは八代目可楽の庶民的な噺を4編収録。酔っぱらいを演じれば名優だった可楽だけに、そのうまさとそこに漂う哀愁描写は見事だ。昭和20〜30年代の風俗もしのばれる好編集盤。モノラルだが録音状態は悪くない。
昨年の録音を中心に未発表曲とリミックス曲で構成。(1)にはBUCK-TICKの櫻井敦司(vo)と今井寿(g)が参加している。大仰な曲と物騒な歌詞で演者となる姿は健全だが、ビートはけっこうデジ・ロックっぽい。プロディジーのファンには曇りすぎなのかな。
ショパンのポロネーズ全集。ニュアンスも起伏も豊かで、ファンタスティックな表現を生み出しているけど、民族的な色彩の味わいやショパンのヒューマンな魅力の表出といった点で少しもの足りない感じ。遠藤郁子流の解釈と演奏、どの曲もそんな印象を受ける。
ダン・タイ・ソンの演奏は派手ではないし、今風でもない。あくまでも楽譜に忠実、かつ伝統的な演奏スタイルだ。彼のこだわりが細部のいろいろなところに聴こえていて面白い。“こだわり”といえばショパンのポロネーズへのこだわりも。
クラシックのサックスの音って、なんか“おぼっちゃま”って感じ。でもどこかアブナイところがあってステキ。それでフランスの曲なんてやられると、音がヌルって身体に溶け込んできて、あ、うそ、なーんて。4人のおじさまたち、かっこいいけどマジすぎ。