1999年11月26日発売
CMと司会でしか見なくなったが、山瀬まみは歌が本当にうまい。作詞・作曲・編曲にもユーミン&松任谷正隆、南佳孝、鈴木茂、松本隆、森雪之烝、大野克夫、サエキけんぞう、奥田民生などそうそうたる面子が並んでいる。(16)なんてロック歌謡史に残る大名曲。
声優にも挑戦したアニメ『ナイン』の主題歌でヒット街道を駆け上がろうとした矢先、例の事件で逆に時の人となっちゃった倉田まり子。ショックでした。当時はアイドルだったけど歌のうまさは格別だったっけ。石川ひとみとよく間違えたもんだ。あー懐かしい。
しかし“クールス”って名前もよく考えると凄い。イイ意味でのクールスの持つ尋常じゃない人たちの凄み(それがまさにCOOLということなのだが)が一般に今ひとつ伝わらなかったのは、やっぱ歌唱センスが問題だったのか。そんな気にさせる一枚。
ジャケットの髪型がめっちゃ80年代な麻倉未稀のベスト。ボコボコ、トコトンッ! と鳴ってるドラムの音が……。ハイライトは、やっぱり(6)(7)。全然、重量感のない(9)もこれはこれで味わい深い。各曲のタイアップ物件についてはクレジットあり。
女性ヴォーカリストの16曲入りベスト集。『OVAガンダム0080〜ポケットの中の戦争〜』の主題歌が有名ですが、それはまた別のコンピで。こちらは、彼女の実力を知ることができるオリジナル曲を集めたもの。ガンダム・エイジの方はぜひ一聴を。
清涼感あふれる歌声で80年代のライト感覚を活写し続けた女性シンガー・ソングライターが、90年代になって発表した作品よりセレクトしたベスト。ベテランの域に入った時期なのに、驚くほどデビュー当時の初々しさを残した歌がズラリ。優しい気分になれる。
ポプコン出身の女性アーティストのキング時代4枚のアルバムからのベスト・セレクション。80年代のオリジナル盤はすでに廃盤、入手困難になっているものも多いため、手頃な値段で買える本作はファンには嬉しい贈り物。やっぱ80年代的ではありますが。
和製ボサ・ノヴァ・ポップスの傑作「どうぞこのまま」のヒットで知られ、70年代後半に活躍した美人SSW。アメリカ志向のサウンドと、アダルトを志向しつつも日本的な情感が盛り込まれた歌詞とが共存。この時代のポップス固有の生活感に懐かしさが。
(1)の30センチ・シングルやLPアルバムを持っている私にとっては懐かしい曲ばかり。時代を感じさせるサウンドが多いが、彼女の声は伸びやかで透明感があって癖がなく耳障りが良い。(1)(6)の作詞の井荻麟は、ガンダム・シリーズの富野由悠季監督のペンネーム。
最近ではミュージカル俳優としてよく知られる上條恒彦は、72年世界歌謡祭のグランプリ「出発の歌」のヒットによって一躍知名度を得たシンガー。TVの木枯らし紋次郎シリーズの主題歌「だれかが風の中に」も彼の歌唱だ。これは代表作が網羅されたベスト。
音楽評論家としても知られる近田春夫。これは彼の過去作品から選曲したベスト集。歌謡曲テイストとJポップの最先端感覚をミックスしていた作品群には、今の世代には驚きのテイクばかりでは。阿久悠や楳図かずおの作詞による曲もあり、最高にユニークです。
原信夫とシャープス・アンド・フラッツに宮沢昭、沢田駿吾、白木秀雄などをゲストに迎えたジャズ・スタンダード集。61年のステレオ録音の最高峰アルバムを、スーパー・アナログで有名な高和元彦の監修で、ピュアでダイナミックにリマスタリング。
65年に発表された、日本を代表するジャズとラテンのビッグバンドが左と右のチャンネルに分かれて競演した特別録音企画盤。音の厚みと迫力に圧倒される。ビッグバンドは冬の時代が続いているが、こういうCDを聴くと失ったものの大きさを痛感する。
サム・テイラーとは、「ハーレム・ノクターン」で知られ、ムード・サックス奏者として60年代の日本で一世を風靡した米人プレイヤー。当時流行していたサム流のサウンドを模して、左と右チャンネルにサックスの松本英彦と宮沢昭を配した軽音楽企画アルバムがこれ。
フュージョン、ロックと幅広い守備範囲で際立った技巧派のヴィタリ・クープリ(key)をゲストに迎え、プログレッシヴなフュージョン・ロックを展開している。ラッシュのカヴァーも巧みにこなす華麗なテクが聴きどころ。
胸にジーンとくるバラード・プレイの妙味。そんな本作品はレキシントン・ホールでの感動のライヴ・アルバム。(4)と(7)と(8)におけるミュート・プレイなどは哀愁たっぷりのナンバーで、もうたまらないといった感じ。“ゴイコヴィッチ節”を十分に堪能してもらいたい。
23分5秒にも及ぶ「歌謡浪曲・お吉物語」を含むデビュー10周年記念の大力作。全編に池多孝春の編曲が冴えわたり、聴く者を決してあきさせない。もちろん三笠優子は持ち前の誠実さを100%出しきり、まるで1曲終わるごとに御辞儀をしているようだ。
演歌ならではの“仁侠・股旅もの”のドラマティックな曲が並ぶ。新宿コマ劇場の舞台が目に浮かぶようだ。彼女のピーンと張った声が浪曲のように心地よく耳に響く。随所に入った台詞で、もはや歌の中だけとなった世界にさらに引き込まれてしまう。