1999年2月24日発売
4枚のソロ・アルバム、ライヴ、そしてgrandfathers時代のナンバーからのチョイスによるベスト・アルバムの一枚。野太いルーツ・ミュージックへのオマージュと、そこにぶち込まれた華奢な宅録精神のバランスが絶妙な個性を放っている。
レーベルを超えた初のベスト盤。収録時間77分というだけでも、そのボリューム感は想像に難くない。2牧のフル・アルバムをベースに、初CD化曲が3曲に未発表ライヴ・ヴァージョン2曲という内容。これ1枚で、彼らのことはかなり知れるだろう。
多彩な楽器奏者を迎え、ジョニ・ミッチェルの音楽をジャズ化した。K.C.ジャズのリフ、マイルス〜ギル・エヴァンス、ブルースなどを編曲にとりいれ、ジョニの音楽が持つ豊かなジャズ性を浮き彫りにしている。70年代以降のひとつのジャズ風景がみえる。
旺盛な創作活動を続けるデイブが自己のグループでブラジル音楽に挑戦した。カフェがゲスト参加。デイブは74年にマイルス・バンドでブラジル・ツアーに行って以来、ひかれていたという。主軸を自己のジャズに置いた現代的なブラジル音楽との接近遭遇だ。
バロックといえばオリジナル楽器が主流の昨今。そんななか、イタリアのインテルプレティ・ヴェネツィアーニはあえてモダン楽器でバロックに取り組んでいるアンサンブルだ。艶やかで輝かしい弦の音色。豊かな響きで表情豊かに奏でられるヴィヴァルディは新鮮だ。
クール派の名手として知られるコニッツが6年ぶりにブラジルものをレコーディング。収録曲は、(6)を除き、どれもブラジルの有名曲ばかりだ。このところ停滞気味だった彼だが、ブラジルものとは性が合うらしく、なかなか快調な演奏だ。そこはかとなく漂う哀愁が○。
日本のレコード会社制作のバルネの最新作。トリオ編成によるオルガン・ジャズで、ブーム便乗かナと思ったけれど、どっこいぎこちなさがまるでない。オルガンのグルーヴのなか、バルネが心地よく泳ぐ。(4)に涙。ジャズが死ぬほど好きになるすばらしさだ。
村上春樹『国境の南、太陽の西』に引っ掛けたアルバムで、(8)以外は小説に登場する曲で構成。ベテラン3人が、ちょいとやってみるべぇか的気楽さでプレイしていて、その分こっちも聴きやすい。アッサリ味のピアノが、春樹小説ぽいっていうことなのだろうか。