2000年2月4日発売
メジャー感の強いテクノ・サウンドの上で、R&B風の香りを漂わせたウィスパー・ヴォイスでセクシーに歌声を紡いでいくChihiro。浮遊していく音のポップな感覚と、ディープかつ妖しい色を持った彼女の歌声との融合は、不思議な心地よさを醸し出していく。
ついにCD化。解散記念のロサンゼルス録音。耳うるさい人には、ヴァン・ダイク、ビル・ペイン、そしてロウエル・ジョージというゲストで、どうだ。さすがに曲はどれも一級品。バンドとしてのまとまりはもはやないが。個人的には思い出がいっぱいの1枚。
ブギでやっている「はいからはくち」など面白いテイクが入っているから、ファンはうれしいでしょう。ロックを日本の土壌に移しかえようとした努力と苦労が、よく透けてみえる。ヘタだけどいいんだよね。イラストは当然、矢吹申彦さん。
73年9月の解散コンサートで収録されたライヴ盤。11曲中7曲がはっぴいえんどの演奏で、(5)(6)は大瀧詠一とココナツ・バンク(伊藤銀次らのバンド)、(7)(8)は西岡恭蔵。鈴木慶一のピアノやシュガー・ベイブのコーラスも聴ける。未来の種子がここにあった。
99年、はっぴいえんどのメンバーだった松本隆のイベントで、松本・細野・鈴木の3氏が顔を揃え、大きな話題となったことも記憶に新しい。さて今回のリリースは、彼らの解散前後に発表された4枚をリマスタリングでお届けするもの。いずれ劣らぬ必聴盤。
「赤色エレジー」がヒットしちゃってテレビにゲタはいて出ていたのがもう15年前となると、最近のあがたのタンゴぶりに見られるアクティブさは貴重だと思う。時間なんてほっといても流れるんだもんね。デビュー作(これ以前に実は自主制作盤あり)、林静一画の美しいジャケット、見開きオリジナル附録付でなくて残念『乙女の儚夢』72年作。ゲスト多彩74年作『噫無情』これまたカラー・ブックレットなしで無念。さらに75年発表の(制作は74年)あがた監督主演映画『僕は天使ぢゃないよ』のサントラ盤と、決して精緻でなくどちらかといえばラフでルースなセンチメンタルだが、それだけにあがただけのズサン美がとこしえに力強い泣き節なのである。
関西系ベルウッド・アーティストの中でも個性的な存在だった西岡恭蔵の代表作がリマスタリングで登場。オリジナルのリリースから四半世紀以上経っても、作品から伝わる味わい深さは変わらない。
これぞ湾岸ロックの開祖73年作。現ムーンライダースの前身。アコースティックな主体に臭い立つ、まとわりつくような饐えた音と言葉はとても一筋縄ではいかぬ十重八十重の腰の強さ。うかつに聴くと今でも吸い込まれてもどれなくなる。厳然たる伝説的超名盤。
哀しいまでのオカシ味が漂う高田渡の唄には、理由なく感激するひとたちがいる。'71年という時代に同時代人として生きていた、と実感させるのがこのアルバム。はっぴいえんど、加川良、遠藤賢司らが参加している。