2002年12月発売
53年にハリウッドで録音したライヴ盤。自身のピアノ弾き語りを中心に、トリオ編成で自作曲を演奏。代表曲の(5)は哀感に満ちたヴォーカルのバックで響くピアノの流麗なオブリガートが効果的。(4)では妻のシンガー、ヴァージニア・マキシーと軽妙なデュエットを聴かせる。
ジミー・スコットとともに近年再評価の機運高まるベテラン歌手のマーフィー。本作は彼が24歳の時に録音、発表した記念すべきデビュー盤。才人ラルフ・バーンズの編曲・指揮による豪華オーケストラをバックに、情感豊かな歌唱をじっくりと聴かせる。
自在な歌唱力の持ち主のデビュー第2作。声はまだ若いが、本作で聴けるのは正統派のヴォーカルで歌に独特の味わいがある。で、本作には現在の彼につながる萌芽も。バンドの音の動きを感じ取り、一体化しながら歌う高度な音楽性と絶妙な声のコントロールがそれだ。
コールが残した初期作品集。このころから彼のヴォーカルは独特の雰囲気を湛えていた。もちろんピアニストとしても名手ぶりを発揮しているだけに、後期の作品よりこちらの方がジャズ・ファンには満足度が高いかもしれない。(1)(3)などは永遠の代表作だ。
ナット・キング・コールの弟、フレディ・コールの貴重なファースト・アルバム。兄の歌い方とよく似たヴォーカルによるブルース・ナンバー集だ。スーパースターの兄とは対照的に地味なクラブ・シンガーという印象だが、ようやく90年代に人気と評価を得た。
玄人好みのシンガーであるパリスのデビュー作。チャーリー・パーカーとツアーし、モンクの「ラウンド・ミッドナイト」初ヴォーカル化を録音したことからも、単に通好みの歌手というだけでなく、新進気鋭な人なのがわかる。アクがまったくない蒸留水のような歌声だ。
ジョン・コルトレーンとの共演で知られるバリトン・ヴォイスの本格派が、オーケストラをバックに数々の名歌に取り組んだ66年作品。コルトレーンとのアルバムで脚光を浴びて波に乗ったハートマンはこの時43歳。男と大人の魅力が随所に満ちあふれている。
ヴォーカル・デュオ、ジャッキー・アンド・ロイの57年録音。プロデュースはクリード・テイラー。オーケストラをバックにした明るい雰囲気の大衆ジャズ・スタンダードという感じで、これぞ50年代のアメリカ! と思わせるユーモアとファニーさ。