2003年1月発売
歌う映画スターとして69年にリリースしたアルバム『夜を歌う』にその後の8曲をプラスし、男臭い勝新スタンダード集にまとめた再編集盤。座頭市でお馴染みのあの渋いノドで歌われるバラードにケチでもつけたらバッサリやられそう。存在感十分、問答無用で聴くべし。
デビューから71年まで在籍したミノルフォン時代の全18枚のシングルに、テープのみでリリースされた音源も収録したコンプリート・コレクション。若く瑞々しいグルーヴィなガール・ポップを堪能できる。詳細な解説付きのブックレットもうれしい。
70年代初頭、ハレンチ女優として人気となり、それゆえに消えていった渥見マリが、大映レーベルから発表したアルバムに、シングル曲6曲を追加した復刻盤。“女優のレコード”という域は越えないけれど、コレクターズ・アイテムになっていた作品だ。
現在、40歳以上のオトーさんはお世話になったはずの有名ヌード・モデル、フラワー・メグが72年にリリースしたアルバム。私は何度かお世話になった記憶が……。歌は結構うまいが、そこがかえってつまらない。キモは曲に入る台詞や悶え声ですな。ボーナスでシングル曲収録。
76年発表の高田渡にとって異色の米国西海岸録音作品。細野晴臣や山岸潤史、フレット・タケット、ヴァン・ダイク・パークスら参加ミュージシャンが豪華。当時は仲間内セッションといった感じで、永山則夫の詩を歌うなど70年代の空気が横溢した作りである。
高田の歌を聴くといつもほっとさせられる。それはほのぼのとした彼の個性によるものだろう。平井堅の大ヒット(1)では、高田がカントリー風のアレンジと子供たちのコーラスを巧みに重ね合わせる。テックス・メックスの響きもあるサウンドは実に屈託がない。
西岡の歌にはノスタルジックな響きと素朴な明るさがある。そしてどこか物悲しい。その魅力が1枚のアルバムに凝縮された。幻のグループ、鈴木茂とハックルバックの参加も興味深い。無邪気な夢が儚い人生と重なる。そんな歌詞の数々がいまも新鮮に響く。★
80年代初頭の東京ライヴ・ハウス・シーンの主役、遠藤ミチロウ率いるザ・スターリンのリマスタリング・ベスト・アルバム。ここに収録された17曲に込められた、パンクというスタイルが持ち得た柔軟な表現は、今こそあらためて再確認されるべきなのでは。