2003年8月21日発売
主よ、人の望みの喜びよ バッハ小品集主よ、人の望みの喜びよ バッハ小品集
ヴィルトゥオーゾ・ギタリストとして知られる山下の最新盤である。確かに山下にしかできない多声部の絶妙な音色の弾き分けや響かせ方など飽くことがなく聴き入らせる。しかしそれ以上にバッハ音楽の持つ深遠さや普遍的で人間的な温もりがヒシヒシと伝わってくる演奏だ。★
津軽三味線 高橋竹山の世界津軽三味線 高橋竹山の世界
73年4月21日録音の独奏11曲と66年8月26日録音の伴奏(歌は成田雲百合)7曲を1枚に収録。名人による名演が太く清らかな音で蘇っている。津軽三味線のふくよかさと厳しいしなりのある力強さの心地よいグルーヴに酔いながら覚醒する。
ちょっとひとり KOTOちょっとひとり KOTO
20弦の箏によるさまざまな年代のJ-POPナンバー。和楽器とポップ・ソングを組み合わせた一種の企画ものにも思われるそんな試みだが、じつはなかなかに良い。わざとらしさがなく、自然なコラボレーション演奏のなかから漂ってくる情緒の深さは格別といえるもの。
マチュリティ5マチュリティ5
96年、山中湖音楽の森ホールでの録音。雲間に見え隠れする富士山をテーマにした叙情的な自作曲が聴きどころ。初夏の富士山麓に静かに響くマルのピアノは、湧き水に集う小鳥たちのさざめきにも溶け込んでいくようで安らぎに満ちている。自然のなかで聴きたい一枚だ。