2005年10月発売
パイプ・オルガンの包容力あふれる響きが、沈潜するヴァイオリンの音色を優しく包む。しかし、なぜか日本を強く感じる音風景。このアルバムの意図は、この風景を実現せしめることにあったに違いない。「アヴェ・マリア」のクライマックスがここまで胸に迫るとは。★
2004年に惜しまれながら解散してしまったデタミネーションズのアルト・サックス奏者・巽朗のソロ・プロジェクト、第1弾。カリプソ・バンド、カセット・コンロスのバックアップを得て、心地好いサウンドを聴かせてくれる。
沖縄在住の女性シンガー・ソングライターによる『life is melody』に続くミニ・アルバム。史上最年少で琉球古典音楽安冨祖流教師免許を獲得した彼女、本作でも沖縄民謡とポップスが融合した美しいポップ・チューンが聴ける。
歌い手としても評価の高い彼女だが、本作もその実力をいかんなく発揮している。スロー・テンポの難しい曲、最初はピアノとの独唱といった高いハードルも楽々クリアし、問い掛けるような歌いぶりで情緒的な世界を見事に構築。映画『この胸いっぱいの愛を』主題歌。
80年代初頭のテクノ・ポップを思い出さずにはいられない、ピコピコ音やヴォコーダー風のコーラスに彩られたR&Rの(1)で幕を開ける3枚目のミニ・アルバム。アコースティックなムードの(3)にもピコピコ音が挿入されるなど、全体にサイケな音世界が展開されている。★
アーバン・コンテンポラリーなソウル・ミュージックを聴かせるダウニング。見事な音作りでギタリストも全曲で違うなど、密かにいろいろ凝っている。メロウだが、うわついた感じはなく、嫌味にもならない。質の高い正統派の味わいが魅力だ。
62年結成のベテランのア・カペラ・コーラス・グループによるU2名曲集。おなじみの曲も彼らが独自のアレンジをほどこして歌うと、まるで違った雰囲気になるから楽しい。一切の楽器を排した声だけの世界。豊かなハーモニーに魅せられ、声の可能性に感動してしまう。