2008年1月23日発売
フィッシャー=ディースカウ全盛期の録音で、ムーアとの2度目の録音。細部にわたってフィッシャー=ディースカウの完璧な彫琢と、ムーアの伴奏を超えた演奏が絶妙なコラボレーションを奏でている。
ミケランジェリ特有の、チクチクするような研ぎ澄まされた輝きを持つ辛口のドビュッシー。「亜麻色の髪の乙女」も、ムード音楽とは対極の位置にある。繊細この上ない音の編み物とでもいった一枚だ。
交響曲第5番は、バーンスタイン2度目の全集からの1枚。感情移入の激しい起伏の大きなチャイコフスキーだ。古巣のニューヨーク・フィルとの相互の篤い信頼のなせる技だろう。感動的な演奏に仕上がっている。
名手3人が集まっての日本公演でのライヴの模様を収録。そうそう聴けない3人の緊張したやり取りが魅力で、特にチャイコフスキーでの盛り上がり方は尋常でなく、まさに必聴といえる。
シャハムの美音とオルフェウスco.との緊密なアンサンブルが楽しめる作品で、選曲も魅力。クライスラーの曲は、ヴィヴァルディの様式で書かれており、洒落っ気のあるシャハムの演奏が聴きものだ。
ブラームス48歳時の充実期の傑作で、第1番よりはるかに洗練度が増している。ポリーニとアバドは、さらに洗練させ、澄明で透明感あふれるブラームスを創出。隅々にまで光を当てた明るいブラームスが堪能できる。
ブラームスは、ムター18歳の時の録音。ゆったりと落ち着いたテンポに乗せて、ムターは伸び伸びと、その持てる力を十分に出している。若き俊才が集った、溌剌(はつらつ)としたベートーヴェンも秀逸。
セルシェルの2枚のビートルズ・アルバムからの抜粋盤。奇をてらわず、正攻法で、しかも清々しさを持った演奏は、2枚とも高い評価を受けている。武満徹やセルシェルらの編曲の妙も聴きどころのひとつだ。
ブラームスの最初の大作でもある作品で、ピアノ付交響曲といった趣のある一曲。ポリーニとアバドのコンビは、必要以上に重厚にならず、青春の息吹に富んだ清涼感あるブラームス像を作り上げている。
制作・出演
シカゴ交響合唱団 / シカゴ交響楽団 / ジェイムズ・レヴァイン / ジュディス・ブレーゲン / フローレンス・クイヴァー / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / マーガレット・ヒリス / メンデルスゾーンベルリン・フィルの優れた機能をフルに引き出して、メンデルスゾーンの清新なロマンティシズムを余すところなく表出した演奏が味わえる。レヴァインならではの豊かなカンタービレが横溢した、気持ちのいいメンデルスゾーンだ。
ゼルキン2度目の録音で、すでに80歳を越した晩年の演奏だが、音楽の深度は一層深くなっている。遅めのテンポから立ち上るゼルキンの澄明な心境がひしひしと伝わってきて、ベートーヴェンの真髄が垣間見れる。