2009年3月4日発売
制作・出演
クインシー・ジョーンズ / ジェローム・リチャードソン / デイヴ・グルーシン / トゥーツ・シールマンス / ドン・グルーシン / ヒューバート・ロウズ / ルイス・ジョンソン / ワー・ワー・ワトソンプロデューサー、アーティスト、レコード会社役員、映画監督など様々な肩書きをもつクインシー・ジョーンズの傑作アルバム。当時まったくの無名だったブラザーズ・ジョンソンを起用、クインシーらしい人材抜擢が活きた好盤だ。
デュトワ、モントリオールの、意外にも唯一の「幻想交響曲」。耳のいいデュトワが、精妙に構築した「幻想」は、アヘンに犯された脳髄が夢見た奇怪な“幻想”というより、淡く儚い“幻想”という感じ。
ゆったりとしたテンポで、丁寧にリムスキー=コルサコフの精緻なスコアを、織り上げてゆく。デュトワが精魂込めて育て上げたモントリオール響の、緻密で透明なアンサンブルを最大限生かした名演。
デュトワのジャジィな感覚が、見事に現れた演奏として、発売当時話題になった録音。加えて、デュトワとモントリオール響が作り上げる、ビジュアルなイメージを喚起する、見事なドラマを創出している。
協奏曲は4度目の録音。そして当時2度目の全集が進行中だった。ラフマニノフはアシュケナージの得意な作曲家だけあって、同曲のスタンダードとも言うべき充実した演奏だ。ハイティンクの伴奏もベスト。
ベルが、クライスラーを正面から見据えて真剣に取り組んだ1枚。ウィーン風の小粋なクライスラーではないが、音楽それ自体の確かさが、かえって浮き彫りにされた。ベルのアルバムの中でも会心の1作。
7番は2度目の録音となる。民俗性は前面には出さず、純粋に音楽の構造を、丹念に、しかも個性的な強調や歌い回しをしながら作り上げてゆく。ウィーン・フィルを存分に鳴らした見事な演奏を繰り広げている。
ガーディナーは、シャブリエの歌劇「エトワール」の上演を手がけていて、唐突にシャブリエを録音したわけではない。あえてウィーン・フィルと組んだのにも、シャブリエの響きを引き出すのに最適だと考えたからだ。
硬質なタッチ、個性的なアクセントや間合い、それらが、一寸の狂いもなくブラームスの音楽の核心にはまってゆくのが、感覚的に分かっていくときに感じる、一種の快感。ポゴレリチの真骨頂を聴くことが出来る。
パガニーニに触発されて作曲された、超絶技巧の無伴奏作品を集めたアルバム。クレーメルが、パガニーニもさぞやと思わせる、見事なテクニックを駆使して、鬼気迫る勢いで見事に弾ききっている。
チェロ・ソナタを除き、ブラームスの歌曲のチェロ編曲版を集めた珍しいアルバム。マイスキーによる一連の歌曲のチェロ編曲版シリーズの1枚。マイスキーの歌心が、全編にあふれ出さんばかりだ。
NYのストリートで話題となりエミネム、ドクター・ドレーが速攻で契約を結んだという熱いラッパーのデビュー・アルバム。高いスキルと過激なネタもさることながら、エネ&ドレの全面バックアップも効いた2003年リリース作。