2010年4月21日発売
メジャー・デビュー盤と呼ぶにふさわしいスケールで迫る通算4枚目のフル・アルバム。曲にも歌詞にもタイトルにも、パンク・ムーヴメント以前のロックンロールのフレーズを引用したみたいだが、堂々とオマージュして嫌味を感じさせないセンスが上等だ。妙な不良伝説を売りにせぬポップ感も良し。
制作・出演
AnnaHeygster / FriederNockur / KarinKutzke / KeikoKakuma=Hulverscheidt / NikolaiMintchev / RudolfAndreasHeber / ブラームス / ヴッパータール交響楽団 / 上岡敏之発売元
日本コロムビア株式会社2004年からヴッパータールso.を率いる上岡敏之は、オケからも聴衆からも圧倒的な支持を受けている。温かみのある重厚な響きを持ちながら、あくまで活気を失わない。「ハイドンの〜」で聴かせる上質な響きや、シューマンへの愛情が漂うような芳醇な音楽。愉悦の時が流れている。
制作・出演
AnnaHeygster / FriederNockur / KarinKutzke / KeikoKakuma=Hulverscheidt / LiviuNeagu=Gruber / NikolaiMintchev / リヒャルト・シュトラウス / ヴッパータール交響楽団 / 上岡敏之発売元
日本コロムビア株式会社しなやかで色彩的で、まことに聴きごたえのある演奏。ヴッパータールは二流などと悪口を言う人も多いが、無為無策の一流団体より結果が良いことはこの演奏が証明している。録音も素晴らしい。来日公演で披露した「ドン・ファン」なども早く録音してほしい。
オリジナルの世界観を熟知した上で、叙情性とポップ性をともに活かした渡辺俊幸の編曲は称賛されるべき仕上がり。思いの込め方が上手い花井悠希のヴァイオリンもたおやかに美しい。有名曲「雨やどり」「防人の詩」の変貌ぶりや、「フレディもしくは三教街〜ロシア租界にて」でのハーモニーの活きかたから、クラシック世界とさだまさしの相性をあらためて実感させられた。★
東京音大在学中に録音された花井悠希のデビュー盤で、2枚同時発売のうちのクラシック編。ウィーン周辺から出発してロシアや南米などを巡り、ラストの書き下ろし曲へ至る多彩な選曲。アプローチは生真面目だがメロディの歌わせ方は伸びやかで爽やかな印象を残す。
コロムビアのカタログのなかから、ひとつの時代を築いた歌手にスポットを当てた企画シリーズの一作。世代を超えて歌い継がれる、藤山一郎の名曲をコレクト。声楽で培った歌唱と透明感のある声質を生かして数々のヒットを放った、彼の代表作を満載する。
コロムビアのカタログのなかから、ひとつの時代を築いた歌手にスポットを当てた企画シリーズの一作。映画『愛染かつら』の主題歌「旅の夜風」や「一杯のコーヒーから」など、甘い歌声でヒットを放った霧島昇の代表曲を満載する。
コロムビアのカタログのなかから、ひとつの時代を築いた歌手にスポットを当てた企画シリーズの一作。抒情豊かなバリトンを生かして、個性的なヒット曲を放った伊藤久男の、代表曲の数々を収録する。
コロムビアのカタログのなかから、ひとつの時代を築いた歌手にスポットを当てた企画シリーズの一作。端正なルックスで映画スターとしても活躍した松平晃の、ソフトなバリトンを生かした楽曲の数々を収録。
コロムビアのカタログのなかから、ひとつの時代を築いた歌手にスポットを当てた企画シリーズの一作。伸びのある美しい歌声で人気を獲得した岡本敦郎の、「高原列車は行く」をはじめとしたヒット・ナンバーの数々を収める。
「高原列車は行く」「高校三年生」をはじめ、戦後の歌謡界に数々のヒット曲を放った作曲家の作品を集めたアルバム。2009年に惜しまれつつも世を去った巨匠の足跡が再確認できる追悼作品となっている。
声優業やNHK『連想ゲーム』でも活躍し、個性的な声を持つ女性の74年の作品。1〜12曲目までは、当時音楽生活50周年だった服部良一作曲。今でいうトリビュート盤。楽曲に宿る独特なリズムと、音符の中を自由に泳ぎ歌うヴォーカルの相性が抜群。2010年で歌手活動50年を迎え、インタビューも掲載。
青春&アクション映画が全盛だった70〜80年代に公開された映画主題歌を収録したオムニバス・アルバム。角川映画作品を中心に、クオリティの高いサウンドによる楽曲の数々が収められている。
滑稽落語の名作「粗忽長屋」は、ハチクマ・コンビのキャラクター全開の噺だけに演じ分けが曖昧になると悲惨だが、たい平はいいテンポで聴かせる。「干物箱」は若旦那のお気楽さと品のよさが巧く出て、こちらも面白い。この人の藝は滑稽さと端正な味のバランスがよく、次代の名人候補に挙げたい。
コロムビア創立100周年を記念した企画アルバム。1970年にスタートした国鉄のキャンペーン“ディスカバージャパン”のもとで当時収録された、駅や車内アナウンス、列車の入線音や車内音などの貴重な音源が収録されている。
ユニクロCM曲でスマッシュ・ヒットを飛ばしたシンガー・ソングライターのセカンド・アルバム。草食系男子的ポジショニングと率直に響くナチュラル・シャウトで聴かせるのは、腹の底までがっつりしみわたるアコースティック・ソングたち。この人の好さと頑なさこそが、最新鋭かつ最純品質J-フォークと言えよう。
自分の葬式にはぜひクラシックが流れていてほしい、と考える人の思いを汲んだコンピ盤との由。しかし、ここでは聴き手が非クラシック者であることも意識した選曲がなされており、内容は優しく柔らかい方向。選者の意図からは離れるが、抒情メロディ集として愛聴することも可能だろう。