音楽むすび | 2018年2月7日発売

2018年2月7日発売

梵唄 -bonbai-梵唄 -bonbai-

激動の時代を駆け抜け、ジャンルの壁を飛び越え、 シーンにおける存在感をさらに高めているBRAHMAN。 5年ぶりとなるフルアルバムで真の境地へ到達。過去最大級の重みと力強さで、数々の名曲と、己の生き様を4人が叩きつける。 ■BRAHMANのパフォーマンスは年々凄みを増している。前作「超克」のリリースから5年の間に全国各地を走り回り、ライブハウス、フェス、 被災地、仮設住宅、ありとあらゆる場所に足を運んだ結果、彼らの周りには何物にも代えがたい仲間が増えていた。 ■そんな環境は4人が生み出す音楽にも影響を与えた。BRAHMANの内側に迫った映画「ブラフマン」の主題歌「其限」をはじめ、 平易な言葉で深い心情や豊かな情景を描き出す楽曲がいくつも生まれる一方、怒髪天を衝く勢いで怒りを綴った「不倶戴天」のようなハードコアナンバーも 吐き出した。彼らが創る音楽はより豊かになった。より深くなった。より多くのこころに届くようになった。その集大成が今作「梵唄 -bonbai-」である。 ■5年ぶりとなるフルアルバムを一聴して分かるのは、彼らが自分たちの持ちうる全てをこの作品に注ぎ込んだということ。ここには、ハードコア、 パンク、ロック、ブルースなどあらゆるジャンルの音が収まっているが、これを“ミクスチャー”なんて言葉でくくることはできない。 しかし、なぜ「守破離」や「不倶戴天」といったこれまでにないハードコアナンバー、「ナミノウタゲ」や「満月の夕」といった胸を打つメロウなナンバー、 そして、「AFTER-SENSATION」や「EVERMORE FOERVER MORE」といったメロディックなパンクナンバーが同居し得るのだろうか。 考えられる答えがひとつあるーー実際に鳴っているのは楽器と声かも知れないが、ここではメンバー4人の“己”が鳴っているのだ。 今作には、今の時代を生きる平凡な4人の人間が、この5年間を生きてきた証が生々しく刻まれている。彼らが経た苦悩、激闘、喜び、憤怒、 馬鹿騒ぎ、慈しみ、深い愛情……喜怒哀楽だけでは表現しきれない、あらゆる感情が詰まっているのだ。 ■「今夜」、「ナミノウタゲ」、「満月の夕」などを聴けば分かるように、パンクシーン以外にも届きうる音楽を4人が鳴らすようになったことは、 今作のポイントのひとつ。盟友と言える仲間たちと共に作り上げた楽曲も自然と増えた。当然ながら、話題作りのためではない。 ■今作のタイトルは「梵唄 -bonbai-」。この聞き慣れない言葉を分かりやすくひと言で表すならば、「歌」だろうか。そのこと以上に重要なのは、 バンド名の由来にもなっている「梵」という字を冠したことにある。これは彼らにとって、自身のバンド名をタイトルにしたに等しい。 それだけのものが込められた作品になったということだ。 ■なお、初回限定盤には2015年8月12日に新宿アンチノックにて行われた「尽未来際 〜開闢〜」の模様を完全ノーカットで収録する。 長年BRAHMANを追いかけてきたファンに「ベストライブは?」と質問を投げかければ、おそらく多くのライブが挙がることだろう。 そんななか、「実はあのライブが一番よかった」と言われるのがこのライブだ。この日のライブは2ステージ制で、場内の出入り口付近で繰り広げた グチャグチャのフロアライブから、ステージへ移っての後半戦までノンストップで駆け抜けた圧倒的な一夜となった。このライブスタイル、 実は日本が誇るハードコアバンドGAUZEの恒例企画「後ろから前から」のオマージュで、GAUZEのメンバー直々に許可を得て行われたものだ。 ラストに披露されたGAUZEの楽曲のカバーで、BRAHMANは彼らへのリスペクトを示した。 ■場内すし詰め状態の凄まじい熱気のなかで展開したこのライブはスペシャモバイルにて生配信されたが、配信終了直後からリピートを望む声が殺到。 「いつかは映像化を」と考えてはいたものの、あの強烈な空気感をどのようにどのタイミングでパッケージしたらいいものか、長い間制作陣を悩ませた。 そして、遂にそのときが来た。5年ぶりとなるフルアルバム「梵唄 -bonbai-」、この傑作に付属させてこそ、「尽未来際 〜開闢〜」の 映像は活きるのではないか。今や伝説となった灼熱の一夜が、2年半の時を経て多くのファンのもとへと届けられることとなったのだ。 ■リリースの2日後には単独では初となる日本武道館公演「八面玲瓏」を控えており、さらに3月3日からはレコ発ツアー「Tour 2018 梵匿 -bonnoku-」が スタートする。全国35ヶ所36公演に及ぶロングツアーだ。 ■「孤高のバンド」と評されることの多かったBRAHMANだが、もはやその言葉には違和感を覚える。人生の荒波に揉まれながら、今を泥臭く生きる4人が、 この生々しい音楽を鳴らし、我々とともに歩いていくのだ。

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