著者 : アネット・ブロードリック
ベスことエリザベスは里親の家を転々としたつらい生い立ちゆえ、極力、人との関わりを避けて生きてきた。だが、このままではいけないと、苦手なパーティに参加し、知的でなおかつ容姿端麗な実業家のダンと出逢う。初対面なのになぜか懐かしさを覚えたエリザベスは、お堅い自分を捨て、フルネームも素性も明かさぬまま、彼と夢のような一夜を分かち合った。人生で初めて知る喜び…。でも、あまりに性急すぎたかも…。ふと我に返った彼女は、眠るダンを置いて、彼のもとから姿を消した。彼の子を身ごもったとわかったのは、それから数カ月後のことだった。さらには、ダンと会うことはもう二度とないと思っていたのに、彼が謎の女性“ベス”の正体を突き止め、エリザベスの家へやってきた!
2大スター作家競演! シャロン・サラ&アネット・ブロードリックが大人気の記憶喪失をテーマに綴る、感動2話を収録しました。ハーレクイン・スペシャル・アンソロジー〜スター作家傑作選〜は、1冊で人気作家たちの名作を複数、お得な価格でお楽しみいただけます。
たとえ私の姿が見えなくとも、 この想いは彼に届くだろうか。 集中治療室で働く看護師のエリーズは、 事故で重傷を負ったデーモンを担当することになった。 有名な大企業を牛耳る社長だというが、今はその端整な顔も腫れ、 全身を管につながれて、昏睡状態だ。 見舞いの家族も来ない彼に寄り添い、耳元で懸命に声をかけるうち、 エリーズの心にはいつしか、特別な感情が芽生え始めていた。 だめよ、私情を挟んだりしちゃ。そう自分を戒めた矢先、 ついにデーモンが意識を取り戻すーー視力が失われた状態で。 やがて、看護師が同伴するという条件で退院を許された彼は、 ためらうエリーズを連れて、湖畔の別荘へ向かい……。 かつて信じていた人に手酷く裏切られたことで心に傷を抱える白衣の天使。彼女が孤独な大富豪の耳元に語りかけた言葉は、眠る彼の耳に届いていたのでしょうか? 初版時に爆発的に売れた、HQディザイアを代表するA・ブロードリックの名作。
幼稚園で働くジャニンは最近入園してきた少女が気がかりだった。 5歳のトリーシャは他の子と遊ばずに大人と一緒にいたがるのだ。 話を聞けば、仕事のため街に住む父親に会えなくて寂しいという。 ジャニンは事態を黙認できず、家庭訪問をすることにした。 少女の父は富と権力を誇る名門キャラウェイ家の次男キャメロン。 彼の圧倒的な男らしさに戸惑いつつもジャニンが意見すると、 キャメロンは口出しするなと言って真っ向から対立してきた。 幼い娘を放っておくなんて、この人は最低の男に違いないわ! 彼女は怒りのあまり帰ろうとするが、嵐のせいで足止めされ……。